124:紡績術 ページ27
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2日後、杠率いる手工芸チームは峠を超え、質を問わなければ気球に必要な分の布をクラフトする事に成功した。
一方の科学チームも搭乗部の設計図を完成させ、ようやくカセキの力を借りてのクラフトに移る。
気球作りもいよいよ山場である。
『エンジンやらのクラフトは千空に任せて、私は杠の裁縫を手伝おうかな。』
千空「杠先生に迷惑かけんじゃねぇぞ」
『わかっている』
杠「幼稚園かな?」
大樹におぶられた琴寧が、幼稚園に預けられる3歳児に見えた杠がツッコむ。
大樹が彼女を椅子に座らせながら「裁縫をした事があるのか?」という質問をし、琴寧が真顔で『見ていればできるだろう』と返す様子を見て若干引きながら、作業を再開した。
杠「とはいえ!まだ布が完全に出来上がったわけじゃないから、どんどん作っていくね!琴寧ちゃん糸紡ぎお願いしていい?」
しばらくして、現代組のみんながキョトンとした顔になる。
それもそのはず、相手は日本の産業に深く根を張る、何代も続く財閥の娘。
生まれてこの方、糸を紡ぐなどという雑用をさせるなんて、畏れ多いと言われて来た箱入り娘だろう。
こんな世界にならなきゃ、一生手をつける事も無かった、“雑用”という仕事。
杠「(…………わぁぁお!?もしかして私、とんでもない頼み事した今!?!?)」
石神村の面々が「どっちが長く作れるか勝負しようぜ!」やら「やり方教えてあげるね」やら騒いでる間、事を頼んだ張本人は肩を震わせ自分の身の程知らずな頼みに後悔する。
躊躇いも無く銀狼から受け取ったコマを回そうとする琴寧から麻を奪い取り、指示書を渡した。
杠「わ、わわわ私の代わりに指示出して欲しいかも!!」
『それはリーダー、君の仕事だよ。』
杠「ううん!琴寧ちゃんの方が適任だと思うよ…!」
『…少し気になっていたんだ、みんながクルクルしてるこれ、おもちゃみたいで』
杠「お、もちゃ!?」
『正月に七海の子が遊んでいたコマに似ている。後でしっかり指示は出すから、少しだけ、遊ばせてくれ。頼む。』
ダメだダメだ。
その目は。
おもちゃを取り上げられそうな子供みたいに、コマを持つ杠の手を掴み、椅子に座っているためか上目遣いで懇願する彼女に目がくらむ。
気が付けば彼女にコマを渡していた。
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柏餅(プロフ) - 栗子さん» \(//∇//)\ (2月23日 11時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» あけましておめでとうございます〜!🐉⛩️🎍ハートのクイーンは今後も重要な要素なので注目されて嬉しいです!!✨今年もよろしくお願いします!!🫶 (1月13日 17時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんハートのクイーンが欲しかったのお嬢すぎて好きです!遅れましたが明けましておめでとうございます! (1月9日 13時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - マジで共感の嵐です! (12月7日 17時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» Dr.STONEの女の子ってマジでいい女ばっかですよね〜!最新話まで見てくれてありがとうございます!!🥳 (12月4日 23時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗子 | 作成日時:2023年10月3日 22時