123：unHappyBirthday ページ26
，
司と、俺と、琴寧しか理解できないだろう。
理解できなくて、いいだろう。
どれだけ罪深く、恐ろしい選択だろうと、琴寧は絶対にこのプレゼントを受け取る。
彼女からしたら、母親の仇でしかない、そんな男の命を握る、そんなプレゼントを。
『……君は、そんなこと…』
させないと、思っていただろう。
いくら条件であろうと、そのような地獄行きの切符を渡すような人間じゃないと。
白夜のいない世界で、
俺は、
テメーの想像する聖人にはなれねぇ。
千空｢テメーが幸せならそれでいい。｣
今、俺は酷い顔をしているだろう。
前置きも下手くそだった。
こんなに格好の悪い自分を見せるなんて。
千空｢(コイツの誕生日になんてもん、クソ、だから恋愛脳ってのは…)｣
琴寧は澄んだ目でこちらをまっすぐと見て、相変わらずの落ち着いた呼吸でにっこりと笑う。
こちらの心情を理解したようだ。
『私が長らく司を選んでいたから、わざと彼の印象を下げようと彼名義でそんなものを渡したんだね。君も可愛い事をする。』
千空｢…うるせ〜｣
『君は小さい頃からそうやって私と君以外の第三者を排除したがるよね。ゲンの時だってわざとだろう、あれ。』
千空｢うるせーうるせー！｣
『結構困るんだよあれ。高校でだって君が私の印象操作をするから大樹と杠しか近付いて来なくてさ』
千空｢悪かったから！！｣
急に騒がしくなった千空と琴寧を不思議そうに見つめるカセキ。
琴寧は楽しそうに真っ赤になった千空の顔を撫でて、悔しそうに顔を顰める彼をからかった。
子供らしい彼の嫉妬が、悪意に満ちたものでなくて良かったと、安心しているのだ。
『君からは受け取らない事にするよ。君を地獄に行かせたら、白夜に顔向けできないからね。』
顔を撫でられるのをやめさせるため掴んだ手を、逆に掴まれ、ぎゅっと握られる。
線が細く、弱そうなその手が、どうも頼もしく見えて、それでも、すぐに折れそうで。
千空｢…司と地獄に行くつもりか。｣
『司も未来と天国に行かせるさ。』
千空｢なら、テメーは誰と…｣
握られた手を、頬に当てられる。
絹のように滑らかなその頬を、惜しげも無く不格好な手に擦り寄せて、パッと離した。
『王と共に』
その笑顔は恐ろしく自然で、俺の知らない人間のようだった。
，
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柏餅(プロフ) - 栗子さん» \(//∇//)\ (2月23日 11時) (
レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» あけましておめでとうございます〜！🐉⛩️🎍ハートのクイーンは今後も重要な要素なので注目されて嬉しいです！！✨今年もよろしくお願いします！！🫶 (1月13日 17時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんハートのクイーンが欲しかったのお嬢すぎて好きです！遅れましたが明けましておめでとうございます！ (1月9日 13時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - マジで共感の嵐です！ (12月7日 17時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» Dr.STONEの女の子ってマジでいい女ばっかですよね〜！最新話まで見てくれてありがとうございます！！🥳 (12月4日 23時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：栗子 | 作成日時：2023年10月3日 22時
