58：開戦前夜 ページ10
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司｢よ｣
『…よ？』
妖精みたいだ。
春の初め。雪解けが始まり色とりどりの花が次々に咲いて春の訪れを祝福する頃合。
暖かくなった気候に嬉しくなった琴寧が冬の間行けなかった薬草の採取を行いたいと、必死に懇願してきた。
他に手の空いてる者もいなかったので、仕方なくいつものよもぎの群生地に連れていくと、何故か不機嫌になったから、
理由はわからないけど、ご機嫌取りのために彼女の言うことを大人しく聞いていたんだ。
だから、気付いたらなんだか色とりどりの花が咲く草花の群生地に着いていたし、
そんな意図は無いのに、彼女と花畑になだれ込んで、
嬉しそうに微笑んだ彼女が可愛くて、
思わず冒頭の言葉を連想してしまった。
司｢……なんでもないよ｣
『今までなんでもない時に“よ”なんて口走らなかっただろう。へんなの』
その、黒くて長い髪に、花びらを散りばめて、風に靡く花に頬を擦り寄せるものだから、やっぱり、どうしても可愛くて、
司｢…マスクして｣
『嫌だね、ここには君と私しかいないんだ。必要ないだろう。』
だめだよ、
許された気になっちゃうんだよ。
その笑顔を、こんな俺に向けてしまったら。
俺が君を傷付けた事も、石像のことさえ、その笑顔を見ただけで勝手に許された気になって、
そんな自分が憎らしくて。
『司、髪に花びらがついているよ。』
そんな君が、愛おしくて。
ほんとはね、
もう気付いてるんだ、君がここに戻って来た時から。
君ほど頑固で、執念があって、頭が良い人が気付かないわけが無い。
もしかしたら、万が一にでも、億が一にでも、あの子が、復活するかもしれないって、俺に言わない君が、何を考えてるのか。
司｢取ってくれ｣
『ふふっ』
千空の切り札になるかもしれないから、黙っているんだろう？
『…隈ができてるじゃないか…無理しないで………』
右目の瞼を親指で撫でる。
君といると、いつも辛気臭くなってしまうね。
ごめんね。
司｢(………………好きだよ。)｣
千空には勝つ。
切り札を使う間もなく、ねじ伏せて、科学の発展を止める。
それで、この気持ちを墓まで持ってく。
そしたら、人間社会が、きっと、浄化される筈だから。
綺麗な世界を、君に見せてあげられる筈だから。
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栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます！💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (
レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！！主人公がどうなるのか、、、！！！めちゃくちゃ楽しみです！！作者様のペースで頑張ってくださいっ！！！！！！！！！ (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー！✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね！？ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね！💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました！最高です！！続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栗子 | 作成日時：2023年8月23日 21時
