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羽京が警戒する中、氷月が眉間に皺を寄せ退出する。
彼の音が消えたと羽京が言うまで、琴寧は黙って彼に撫でられた頬に触れていた。
『(やはり、手袋があると感情が読み取れないな)』
司や千空もよく琴寧のフードに手を入れて頬に触れるが、指先の体温や手の微量な震えが、頬から伝わってくるのだ。
彼らが嬉しくて、私に触れているということが、指先からわかる。
しかし氷月は分厚い皮の手袋をしている。
もとより琴寧も厚いマスクをしている事もあるのだ。
ただでさえ伝わる感情は微かなのに、あちらまで手袋をされるとわからなくなる。
『(氷月は本当に喜んでたか？口先では嬉しいと言っていたものの、最後のあの表情、どうにも引っかかる。)』
警戒し外を眺める羽京の瞳から、目が離れない。
羽京が止めていた息を吐いて、琴寧に向き直る。
氷月の気配はもう完全に無いようだ。
羽京｢昨日みたいに、大きな音を出して呼んでくれればよかったのに｣
『…彼にも事情があるのだ。』
羽京｢酷い事をされる度にそんな事を言っていたら、いつか身を滅ぼすよ。君、暴力振るってくる恋人に依存しちゃうタイプでしょ｣
『そんなタイプがあるのか』
羽京の言葉に感心する。
本当に色々な種類の愛があるのだと、南や羽京の話を聞いていると 痛感するのだ。
これら全ての愛を見分けてみんな生活しているのだと言われているようで、
父から愛されていなかった事すら気付けなかった琴寧には、愛とはとても不透明で不可解なものだった。
『どこに行くのだ？』
何やら周りの薬草を適当にカバンに入れ、琴寧に掛けて抱きあげた羽京。
部屋から出たあたりでやっと質問した琴寧のマイペースさに苦笑した羽京が、坂を下がりながら答える。
羽京｢クロムの所だよ、体調悪いって言うから、一応ね。感染病の蔓延してた村の子だし、｣
『ははっ、怪しいな、司に許可は取ったのか？』
羽京｢うん。さすがにこっちが患者だらけになるのは嫌だったみたい。｣
『上手く考えたな、羽京。ようやく本性を表し始めた。』
羽京｢…卑怯でごめん｣
『責めてなどいない。村の話も半分嘘だ、上手く利用してくれる人間がいて良かったよ。』
追い詰めた様子の羽京の背中に手を置いて、力強く押す。
それだけで羽京は救われた気がした。
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栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます！💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (
レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！！主人公がどうなるのか、、、！！！めちゃくちゃ楽しみです！！作者様のペースで頑張ってくださいっ！！！！！！！！！ (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー！✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね！？ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね！💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました！最高です！！続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栗子 | 作成日時：2023年8月23日 21時
