95：いきなりだが ページ47
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同時刻。
日が暮れるまでの数分。
ぼうっと日の入りの様子を眺めるコハクの横で、一緒に運ばれてきた琴寧が草原で生きる昆虫を観察する。
琴寧の見ている個体は、足が折れても、力強く前へ進んでいた。
『……コハクはルリのこと、愛していたんだな』
何か考えた様子のコハクに、琴寧がゆっくりと問いかける。
唐突な彼女の質問に、コハクは口角をあげて返事をした。
コハク｢……また“愛”か。｣
『ずっとわからなかったんだ。治らないと知りながら、姉を少しでも楽にしようと山を何往復もする君の事が。』
コハク｢挑発的だな。ルリ姉が完治する前だったら、君の事を殴っていたぞ。｣
『ふふ、構わないよ。』
コハクが眉を下げ、琴寧が笑う。
コハクはルリを愛していたから温泉を運んでいた。
それがわかったことを、どうしてもコハクに伝えたかったのだ。
コハク｢……君にきょうだいは？｣
コツンと、琴寧の頭を軽く叩いて、夕焼けに染まる琴寧の瞳を見つめる。
きれいだ。
『……きょうだいはいない。本来なら多く子孫を残すため、愛人を何人も作って、何十人もの子供を産むのが私の家の決まりなのだが。…寂しい家だったな。』
コハク｢どちらにしろ、愛のない家だな。｣
『1人、別の財閥の子で、私を妹みたいに気にかけてくれる令息がいた。でも、私は多分コハクのように彼の事を1番には考えられない。』
コハク｢それは酷いな。｣
『私はみんなが思うよりずっと我儘だよ。』
コハクは笑って夕日に目を移す。
もう沈む。
暗闇が世界を覆い尽くすだろう。
いや、千空の話によれば、夜なのは世界の半分だけで、あとの半分は朝と昼と夕なんだったか？
規模が大きすぎてよくわからん。
広すぎる関東平野の一部を眺めては、そのスケールの大きさにめまいがする。
すぐに目を逸らして、琴寧に目を移し、手を取って。
雰囲気に流されて想いを打ち明けた。
コハク｢なら、その貪欲な我儘で、もっと愛を知って、私を愛してくれ。｣
『……君を？』
コハク｢私を。…わからないか？私は既に君を愛しているぞ。｣
見ていたよ、と彼女に教えるように、彼女の頬に唇を押し付ける。
琴寧は、驚いた顔をして、その後に、嬉しそうに笑った。
コハク｢(……1mmも伝わっていないな)｣
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栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます！💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (
レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！！主人公がどうなるのか、、、！！！めちゃくちゃ楽しみです！！作者様のペースで頑張ってくださいっ！！！！！！！！！ (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー！✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね！？ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね！💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました！最高です！！続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栗子 | 作成日時：2023年8月23日 21時
