91：おまじない ページ43
，
『目を覚ましたか！
司、おはよう。
聞いてくれ！ゲンがこの前くれた花冠のそれぞれの花言葉を教えてくれたんだ！これが信頼、これが自由、これが穏やか、これが恩恵。めちゃくちゃだが前向きで素敵だ、今度作り方を教わって司にも作ってやろう！』
司｢………………随分ご機嫌じゃないか…｣
司帝国。
死にかけの司に対し、琴寧が容赦なく話しかける。
みんな司が壊した石像を探しに外に出てしまった。
千空は何やら材料を集めクラフトを始めた。
昨夜の件で少し気まずい司は、いつもより活気がある琴寧に若干引く。
どうやら俺が死ぬのはあまり悲しくないようだ。
今までした事を考えると当然だけれど
司｢………悲しいな、それでも…｣
『おや、悲しいのかい？なら私がその悲しみを打ち消してあげようね』
呟いたその言葉を拾った琴寧が、そばに手をついて顔を近付ける。
近すぎる顔に驚いた司が目を見開く。
そんな事気にもせずに、
彼の頬にひとつ、
そっとキスをした。
司｢…っ！？……ゲホッゴホッ！！｣
『人は愛する者にキスをされると幸せになるのだろう？どうだ？幸せになったか？』
司｢琴寧！？……うっ…びっくりした、やめて急に…｣
『安静にした方がいいと思うが』
司｢誰のせいで…！……ううぅ…っ…｣
急に暴れだした司に琴寧が医者として勧告する。
全部
全部覚えてる。
意識が朦朧とする中、琴寧は愛を理解した。
それを自覚した彼女には、こちら側の気持ちなど全て筒抜けで、
こちらの感情も、すべて見えているのだと思った。
完全に善意。
彼女は悲しみを打ち消してくれようとしただけ。
まぁ何故キスなのかは分からないのだが、
司｢……本当に、ご機嫌だな今日は…｣
『…………ああ、ご機嫌だ。とても。』
息を切らした司に、微笑む。
『千空が、君を助けると約束してくれたんだ。私はとても嬉しい。』
君は助かるよ。
そう言って自身が縫合した傷口を撫でる。
その穏やかで、慈しみのある表情を見て、
｢知られてるのも悪くないな｣と感じてしまう。
こんな死にかけの時に思うことじゃないのに、幸せだなんて、こんな簡単に感じていいものじゃないのに、嬉しくて。
司｢……普通はね…自分が、愛してる人にするんだよ……｣
『……君は、普通が好きだな。』
，
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます！💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (
レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！！主人公がどうなるのか、、、！！！めちゃくちゃ楽しみです！！作者様のペースで頑張ってくださいっ！！！！！！！！！ (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー！✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね！？ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね！💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました！最高です！！続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：栗子 | 作成日時：2023年8月23日 21時
