89：おさなげな ページ41
，
1時間後、
すっかり夜の明けた陽の下で、心配そうに千空とコハクの帰りを待つゲンは、彼らを見つけ喜んで駆け寄る。
そこには随分早くから3人の姿を聞き取っていた羽京が、変わらず心配そうに千空を眺めていた。
ゲン｢いたいた〜！！千空ちゃんコハクちゃん！琴寧ちゃんも、心配したよ、帰ってくんの遅いか……ら？｣
千空｢ぜぇ、はぁ、げ、ゲン、手貸せ、もう落としそうだ｣
ゲン｢どういう状況！？｣
羽京の目線の先には何故か、足をプルプルとさせ、今にも落ちそうな琴寧の体を必死に抱き上げる千空が。
彼よりも力持ちのはずのコハクは後ろで腕を組み、琴寧が落ちた時のために備えている。
当の本人である琴寧は、すやすやと目を閉じて、それでも千空にしがみついて離れないでいた。
コハク｢琴寧が今1番安心するのは千空だろうに、愚かにもこの男は合理的だ何だ言って私に運ばせようとしたからな。｣
ゲン｢なんかあったのね｣
コハク｢あと私はメスライオンじゃない｣
千空｢てめっ、8割それ理由だろ！！｣
羽京｢代わろうか？とは言ったんだけど、終始こんな感じで…｣
自衛官の羽京と、源泉運びの野生児コハクを両脇に置いて人を運んでいる千空。
いつもの千空なら、｢バカどんだけ非合理的だ｣と投げ出していただろう。
ゲン｢(その千空ちゃんがちゃんとここまで運んできたって事は、琴寧ちゃんパワー？相変わらずゴイスーね、)｣
すやすやと眠る彼女の顔は泣き腫らしたあとがあって、誰かの血で汚れていた。
2回目の彼女の寝顔は、随分グロテスクだけど、それでもかわいい。
ゲン｢寝顔、幼いよね琴寧ちゃん｣
コハク｢いつもの偉そうなあの態度も無いからな｣
ゲン｢年相応って感じ。｣
羽京｢はは、顔ガッツリ見えちゃってるけど。いいの？正体バレちゃっても。｣
羽京の発言でようやく、3人が彼の立場に気付く。
焦ったゲンは急いでフードを被せ、ギリギリのところで手伝いに来てくれたニッキーから顔を隠す事が出来た。
ニッキー｢なんであんたが巫女さんを持ってんだい？らしくないね。｣
千空｢うるせぇ〜、離れねんだよ…｣
羽京｢本物のお偉いさんだね。だいたい想像ついてたけど｣
ゲン｢切れ者の羽京ちゃんが探らないわけないよね〜…ちょっと話そっか。｣
，
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます！💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (
レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！！主人公がどうなるのか、、、！！！めちゃくちゃ楽しみです！！作者様のペースで頑張ってくださいっ！！！！！！！！！ (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー！✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね！？ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね！💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました！最高です！！続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：栗子 | 作成日時：2023年8月23日 21時
