84：人魚姫の決意 ページ36
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『おとぎ話が、人は普通、愛する人と結婚するのだと教えてくれたのだ。………父にとっては厄介な存在だったろうな』
司｢……俺からも1つ、教えてあげるよ。｣
『ああ、教えてくれ。』
吹雪が人間を襲った日の夜。
司は人間と海の姫君の話を教えてくれた。
司｢……昔、人間の王子に恋をした人魚のお姫様がいました。｣
3700年前、司はある財閥の令嬢に恋をした。
叶わぬ恋だった。
彼女には婚約者がおり、彼女は自分の妹を助けようと頑張っていた。
そんな彼女を邪魔する気など、そんな思いなど、微塵も無かった。
司｢人魚姫は王子様に出会うために、海の魔女の家を訪れ、美しい声と引き換えに尻尾を人間の足に変える飲み薬を貰いました。｣
でも、こんな世界で、彼女に会いたくて、適当な理由をつけて。
石を人間に変える、復活液を彼女にかけた。
司｢“王子に愛を貰うことが出来なければ、姫は海の泡となって消えてしまう。”その約束で陸に上がった人魚姫は、王子様に会うことが出来ました。｣
司にとって、琴寧は優しかった。
どんなに酷いことをしても、笑って司を許す。
花畑に連れていってくれる。
司｢しかし幸せは続きません。王子様は隣の国のお姫様と結婚してしまいました。｣
司と琴寧は結ばれない。
彼女には婚約者がいる。
それは権力が彼女を押さえつける安居院の家では、抗えない決定事項。
司の恋は叶わない。
司｢人魚姫は王子様に愛されることはありませんでした。焦った人魚姫のお姉さんたちが、海の魔女に短剣をもらいました。｢これを王子様の胸につき刺せば貴方は海の泡にならないで済む｣そう言って人魚姫に短剣を渡します。｣
叶わぬ恋など、捨ててしまえばいい。
そう思った。何度も思った。
でも、
司｢人魚姫は、王子様を刺すことなどできませんでした。自分を犠牲にして、人魚姫は海の泡となって消えてしまうのです。｣
そう簡単に、君への想いを、この愛を、捨てることなんて出来なかった。
君の足を斬ったその時から、君への恋は捨てた。
でも、君の幸せを願うこの愛だけは、捨てない。
司｢体を冷やさないでくれ。離さないで、君が苦しくなる前に、俺が君を…｣
川岸、じんわりと熱い血液が琴寧の体を温める。
司の、最期の慈愛だった。
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栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます！💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (
レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！！主人公がどうなるのか、、、！！！めちゃくちゃ楽しみです！！作者様のペースで頑張ってくださいっ！！！！！！！！！ (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー！✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね！？ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね！💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました！最高です！！続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栗子 | 作成日時：2023年8月23日 21時
