76：ドライブ ページ28
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ニッキーに担いで貰い、唯一の負傷者である羽京の元へ運んでもらう。
幸い急所から外れてる。
出血は酷いが安静にしていれば元通りだろう。
処置をし、車に乗って、
ついに未来の元へ、彼女を助けに行く。
目的地までの道のりは恐ろしく静かで、誰も、真剣な表情の司に話しかけようとはしない。
1人、状況を把握しきれていない大樹が、司に気になっていることを素直に問いかけた。
みんな彼の言葉を受け止め、そして自分で咀嚼する。
全てを知っていた琴寧だけが、彼の言葉を笑顔で聞いていた。
本音を話してくれたのが嬉しいのだ。
車を運転するゲンが、その表情を見て気付く。
ゲン｢…………“あの子”って、司ちゃんの事だったのね。｣
司帝国から琴寧を連れ出すことに成功した翌日。
ふたりぼっちで猛獣のうろつく森を歩いていた時、琴寧はゲンに、あの子は諦めるのが早いと言った。
この状況が、あの子を救ってくれると。
つまり琴寧は、あの時点でこの石化に病気を治す効果まであると気付いていた。
いや、
ゲン｢知ってた、でしょ。…なんで？｣
ゲンが琴寧に笑いかける。
琴寧はその表情を見て、司に目を移した。
『……私は本来、雨に打たれるだけで呼吸もできなくなるほど、体の弱い人間だったのだ。』
ゲン｢…え｣
『こんな世界で、司が千空を殺して、その怒りで忘れていた。あの時、自分の指が白くなっているのを見て初めて気付いたんだ。この雨で、何故か私は司と話をしている。』
旧世界で、海の感触も、プールの楽しさも、雨の冷たさだって、知らなかった。
こんなに冷たくて、たくさんだったなんて。
『治っていたんだ。私は血管炎を克服した。』
目を閉じて、晴れた空を仰いで話を続ける。
『……嬉しい。人は夏に海で遊ぶのだろう？私も連れて行ってくれ。』
病気の事もあるが、父が娯楽を制限していたから。
だから、父親のいないこの世界での、琴寧のささやかな反抗。
ゲンに貰った安居院家当主の権力を使って、彼に約束を取り付ける。
彼は琴寧から目線を外し、前を向いた。
ゲン｢…病気のこと、千空ちゃんも大樹ちゃんも知らなかったじゃない。今でも、戦争が終わったのに、誰にも話してなかった、千空ちゃんにさえ。
…どうして俺には教えてくれたの？｣
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栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます！💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (
レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！！主人公がどうなるのか、、、！！！めちゃくちゃ楽しみです！！作者様のペースで頑張ってくださいっ！！！！！！！！！ (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー！✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね！？ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね！💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました！最高です！！続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栗子 | 作成日時：2023年8月23日 21時
