75：白馬に乗った王様 ページ27
，
森が騒がしくなった。
鳥たちが何かから逃げるように一方向に飛んで行く。
岩壁に緊張感が走り、中にいる私を責め立てる。
ここを立ち去れと、
ここにいるべきでは無いと。
『……そろそろかな』
お父様
拝啓
春寒ようやくゆるむ候、貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
いかがお過ごしでしょうか。日頃よりのびのびとした生活様式のお父様の事ですから、この世界でも自由に生きているのでしょうね。お父様にとって、財閥の鎖は重く苦しいものだった事と思います。
そこで提案なのですが、財閥の事は私にお任せ下さい。僭越ながら先日やんごとなき人物に委任を受け、この世界で正式に私が当主の座についたことをご報告します。
ぜひ充実した余生をお過ごしください。
敬具
焚き火を消火し、重い上着を脱いで外に出る。
石造りの要塞。
次の地面までの高さ目測で536cm。
およそ自身の3倍はある高さに足が竦む。
でも、今は君がいる。
千空｢迎えに来たぞ。｣
笑ってこちらを見上げる千空。
勝利を掲げ拳をこちらに突き上げた。
上からひょっこりと現れた私に驚いたコハク、クロム、マグマ達、勝利に喜ぶ大樹、ニッキー、ゲン、悔しそうな南、微笑む司。
賑やかな人々に、嬉しくなった。
感情がたくさんだ。
『千空！』
千空｢…は！？ちょ、待てッ｣
ちょうど真下にいる千空目掛けて、体を傾けて飛び降りる。
司のように受け止める怪力もない彼は、私の下敷きになり私を抱えたまま潰れた。
しかし原始のストーンワールドで少しばかりだけ鍛えられたのか、すぐに起き上がり座ってこちらを見下ろす。
嬉しそうに笑いかけられた。
『あははは！少しは力がついたんじゃないか？』
千空｢テメーこそ、見ねぇうちに重くなりやがって。お元気いっぱいで安心したわ。｣
フードに手を入れて頬に触れる。
裏切り者として野蛮な者がいる場所で半年以上。
酷い扱いを受けていなければいいと思っていたが、それ所か前に会った時よりも健康的で血色のある笑顔に安心する。
千空｢司…｣
司｢…なんだい？｣
ああ、気付いていたのか。
琴寧をヒントに、俺の切り札が何なのかまで辿り着いてた。
なのに、
司は琴寧を人質にすることも無く、
千空｢(………お優しいこって)｣
，
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます！💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (
レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！！主人公がどうなるのか、、、！！！めちゃくちゃ楽しみです！！作者様のペースで頑張ってくださいっ！！！！！！！！！ (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー！✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね！？ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね！💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました！最高です！！続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：栗子 | 作成日時：2023年8月23日 21時
