72：冷たい人 ページ24
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酷い雨の日だった。
氷のように冷たい雨。
大樹も杠も、琴寧の指示で落雷の落ちない洞窟の中に避難し、俺は復活者の石像を探しに行っていた。
とても分厚い雲。
太陽の光は少ししか入ってこなくて、暗い日だった。
司｢……着いてきたのかい。冷えるから戻った方がいい。｣
『はァっ…はァっ……大樹と…杠に、聞いた…君は、本当に千空を殺したのか…』
君が無理をした日だった。
あの日と同じ濁った目で、走ってきたのか息を切らして木に手をついていた。
だめだよ、
ストレスをかけちゃ、また、
こんな世界じゃ、君はそれを治せない、
だめだ、こんな冷たい雨に打たれていては。
そんな感情に支配されて、でも、出てきたのは、子供みたいな嫉妬を滲ませた冷たい態度で。
司｢…それがどうかしたのかな。｣
『科学を根絶すると？正気か？そんな理由で千空を殺したのか。』
司｢…………君にとって大切な人だったかな。すまないね、｣
違う、こんな事を言いたいんじゃない。
君に謝りたいんだ。
友人を殺してごめんって、
俺を恨んでもいいって。
『ああ、大切だ。私にとっても、世界にとっても、君にとっても！！』
司｢…科学文明を根絶する人間に、彼が必要だと？｣
『君のそれは本心じゃない！！』
ダメだ、
その目でこちらを見ないで。
そんな真剣な顔で近付いて来ないでくれ。
今は、俺と君を隔てる、病室のドアが無いんだ。
『本当に科学は悪だけか？近代文明は君にとってそんなに汚れきっていたのか？X線も、CTも、ベッドサイドモニタも、心電計も、部屋の空調設備さえ、千空が科学を発展させないと作れないんだぞ』
司｢そうだね｣
『これが何を意味するのかわからない君じゃないだろう！司、どうして、こんなの、
君の妹をまるで、諦めるような……！』
司｢……………………そうだね。｣
『！』
駆け寄ってきて掴まれた手を、そっと握り返す。
手袋の中から伝わってくる感情は、それは鮮明で、彼女が何を考えているのかすぐにわかった。
『………………そうか……君の世界には居られないな。』
落胆だ。
掴んだ手袋からそっと手を抜き、フードを外して上着を脱いだ。
司｢……琴寧、待って｣
靴も、ワンピースも、
全部脱いで、太腿の十字架が露わになった。
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栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます！💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (
レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！！主人公がどうなるのか、、、！！！めちゃくちゃ楽しみです！！作者様のペースで頑張ってくださいっ！！！！！！！！！ (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー！✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね！？ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね！💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました！最高です！！続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栗子 | 作成日時：2023年8月23日 21時
