66:面汚し ページ18
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【IgA血管炎】
免疫の不具合により自身の血管を攻撃してしまい起こる炎症。小型血管の炎症で、ほとんどの場合小児に起こり、 通常膝から下に現れる赤紫色の隆起した発疹や斑状の発疹が最初の症状。
続いて発熱や関節痛、消化器の不調、腎臓の機能障害が続く。
先生は、彼女の場合寒さや興奮状態、ストレスが引き金となってよく発症するのだと説明した。
この年齢まで長引くのは稀だと、何度も再発するのは特殊なケースだと。
「琴寧ちゃんが最初にそう診断された時、琴寧ちゃんのお父さんは彼女に“恥ずかしい”と言い放った。その時から、この子を隠すように、見せないようにここで診察させたんだ。」
司「……家の弱点になるから?」
「おや、君はこの子のお父さんの人となりを知っているのかい?よくわかったね。」
10回の食事の中、あの人は何度も「誇り高き安居院の血」を強調した。
社会の頂点に立つ者として、醜態は見せず、取り入る隙を見せず、討たれる弱さを見せず。
そうして威厳を保ってきたと。
そして
司「この少女にも、それを強要した」
「小さい頃から勉学を叩き込まれたそうだよ。まるで彼女の病気を補完するように。」
「先生、話しすぎですよ」
ハッとした医師が口の前に指をさしてシーッと口封じをする。
処置が終わったのか、だんだん息が落ち着いてきた彼女の傍に立って、俺は膝も付かずに見下ろした。
司「……どうして、そんなになるってわかってて、俺に嫌われてる君は、この寒い中、追い出されるってわかってて………」
『……治すんだ………無くすんだ…病気を……』
寝言のように、意識を朦朧とさせながらつぶやく。
その日は、もう夜遅いからと、病院から追い出された。
次の日、
珍しく、午前中が空いていたため朝から未来の元へ病院に訪れると、昨日の医師に話しかけられる。
大人しくついて行けば、案の定昨日の部屋へ通された。
司「…何のつもりですか」
「あれ、てっきりお見舞いに来たのかと…そのお花、いつも未来ちゃんには買ってこないよね?」
司「……」
「じゃあ、僕は休憩入っちゃうから!」
ドアを閉められる。
ここに来る途中花屋で買ったアルメリアの花を1本、花瓶に添えて、彼女の眠るベットの横に座った。
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栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます!💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです!頑張ります!!(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです!!!!主人公がどうなるのか、、、!!!めちゃくちゃ楽しみです!!作者様のペースで頑張ってくださいっ!!!!!!!!! (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー!✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね!?ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね!💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました!最高です!!続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます!!頑張ります!🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗子 | 作成日時:2023年8月23日 21時