63：既得権益 ページ15
，
1ヶ月後、6回目の約束。
前回と同じ個室でまた2時間会食をした。
酒を勧められた。
年齢を理由に断ることができたが、断ったあとはいつもより少し不機嫌になってしまった。
2ヶ月後、7回目の約束。
今回は割烹料理店のカウンター席だった。
また同じように隣同士に座った。
今回は酒は勧められなかったが、変わりに太腿に触れられた。
周りに客がいたため拒絶できなかった。
3ヶ月後、8回目の約束。
料亭の和室に通された。
この日初めて、向かい合って食事をした。
料理は暖かい湯豆腐と牛肉料理。
普通の飲食店より調味料の酒の割合が多いように感じたが、貧しい俺には高級料亭の料理が分からないから指摘できなかった。
4ヶ月後、9回目の約束。
前回と同じ和室の料亭だった。
同じ食事、注がれた飲み物がお酒ということを除けば、何ら変わらりない。
食事の最後。格闘技を見せて欲しいと言われた。
畳の上、動きやすくは無い格好だが空を蹴ると、酔った相手は嬉しそうに｢私のことも倒して欲しい｣と言った。
5ヶ月後、10回目の約束。
前回と同じ料亭、同じ料理が運ばれてきた。
食事の最後にまた格闘技を見せて欲しいと言われいくつか見せた。
2時間が経とうとした頃、朦朧とする意識の中、相手が近付いてきて押し倒された。
その時初めて全身に酒が回ってると気付いた。
時間は午後の8時を過ぎていた。
次の日。
『……やっと来た』
久しぶりに君を見た。
司｢いつからいたんだい｣
ハイネックニットにパンツスタイル。
病室内の温度はいつもより高く設定されていて、彼女が操作したのだと気付く。
病室のハンガーラックにはマフラーに手袋、厚手のコート、あらゆる防寒グッズが揃っていて、そのどれもが見るからに高級品で鼻につく。
こちらは明日の食い扶持を確保するために、汚い大人の機嫌を伺いながら仕事をしているのに。
司｢興味本位で来ていい所じゃないと言ったろ｣
『何故私の警告を聞いてくれなかったんだ。父は昨日の夜驚く程上機嫌に帰ってきて君をもうすぐで手に入れられると喜んでいた。君はあの男の策略に嵌められているんだよ。目を覚ましてくれ。』
整えられた美しい髪を揺らしながら立ち上がり、こちらに歩いてくる。
その目は酷く濁っていた。
，
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
栗子(プロフ) - あんあんねこさん» ありがとうございます！💕💕お話のスピード遅くて主人公がどうなっていくのかのろりのろり更新ですけど気長に待ってくれると嬉しいなっ☆💦めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！(ง •̀_•́)ง (9月24日 1時) (
レス) @page41 id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
あんあんねこ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！！主人公がどうなるのか、、、！！！めちゃくちゃ楽しみです！！作者様のペースで頑張ってくださいっ！！！！！！！！！ (9月23日 12時) (レス) @page40 id: 3021c16fe7 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 幸子さん» きゃー！✨👏嬉しいけど体調には気を付けてくださいね！？ありがとうございます💕最近出せない日多いから頑張りますね！💪 (9月21日 19時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 夜更かしして全話読みました！最高です！！続き楽しみにしてます( *´꒳`*) (9月21日 16時) (レス) @page38 id: b07e9edb38 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！🔥 (8月31日 13時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：栗子 | 作成日時：2023年8月23日 21時
