浅草 ページ5
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朝霧「北北西二向カエ!
女子供ガ度々攫ワレテイル!」
「ふぅ....行きますかぁ。」
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サッサっ
とても遅く感じる鬼の背後に迫り
艶の呼吸を使う。
「艶の呼吸、弐の型。幻光慶華」
鬼「ッぎゃぁッ!?....ひいぃぃいいい!!」
視力を失わせ、鬼が1番恐れている存在の
幻覚を見せる技。
数秒待てば、体が溶けてなくなるだろう。
焦点のあっていない鬼がベトベトになりながら
跡形もなく消えていった。
この型は、異臭がするからまだまだ
改善点がある。
なんというか、死体が腐りかけている....
いわゆる死臭というものだ。
カチャと刀を直す。
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鼻を少し摘みながら路地裏を抜ける。
ムワーンとなんとも嫌な臭いを真っ当に受けたらひとたまりもない。
ガヤガヤと賑わう街。浅草。
中には、いかにも貴族と分かるような高級な服を着ている婦人もいる。
田舎ではありえないほど、煌びやかで
明かりが無数に着いている。
遊郭育ちの私には、慣れたようなものだけど。
「ん〜、
そうだ、髪飾りでも買いましょうかなぁ。」
最近、お気に入りの髪飾りを任務中に
落ちたのか無くしてしまった。
また新しいのを買おう、と前から覚えていたのである。
ついでに、甘露寺さんと胡蝶さんの
髪飾りでも買おう。
あの二人とも、もっと仲良くなりたい。
柱になれば給料も一般隊員の倍以上なので
使い余っているほどだ。
こんな都会に来ると、多額のお金も使いたくなる。
「誰かと来たかったなぁ....あ。」
チラッと横を見ると、おしゃれな装飾店で
髪飾りが並んであった。
「甘露寺さんは、大きめのでもいいけど
胡蝶さんは、元々つけているから小さめのに
しましょうかねぇ。」
直感でいいな、と思った物をふたつ選ぶ。
店主にはい、と渡すとわお、と驚愕の声をあげた。
この場面、なんか見覚えのある....←
店主「わぁ、別嬪さんなことで!
おまけに、1つ無料にしてやるよ!」
美形はこんな時に役立つものであると
こういう時に思い知らされる。
自分で思ってる所で性悪な私←
「おねぇさん。私に似合う髪飾りを選んでくれないでしょうかぁ?」
女の店主に笑いかけながらそう聞くと
顔を真っ赤に染めた。
なんとも可愛らしくて加虐心がくすぐられる。
店主「いいのかい!?じゃあこれだね!」
....渡されたのは。
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作者名:美麗 x他1人 | 作成日時:2020年3月18日 21時