惚情 ページ25
煉獄
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愛の告白も伝えずに、
勢い余って口付けをしてしまった。
優しく、歯が当たらないようにそっと。
ビクッとAの肩が、震えた。
「ッッ!....え?」
温かい感触から離れ、その顔を見ると
顔を真っ赤にしながら呆然としていた。
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む、そんな顔をされたら勘違いをしてしまう...
唇を離したあとも、プクッと膨れた柔らかい唇の感触を忘れられない。
初めて見た困惑の表情に、何故か優越感が湧く
この表情を見れるのは、俺だけだ、と。
煉獄「こんな気持ちにさせるのは、
君が初めてだ....
その、つまりだな....」
「君が好きだ」という言葉が思うように出なくて、詰まってしまう。
言うと決めたじゃないか!
柱として不甲斐なし!!!
そう思うも、本気にすきになってしまった人には上手く伝えられない。
額から汗が流れ、心泣く焦っていると
そっと拳に手を添えられた。
その冷たさに、顔をぱっと上げると
とても美しい笑顔をうかべたAがいた。
その姿は、一瞬母上に重なる。
「杏寿郎、焦ってまで言わなくてもいいですよよぉ。
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言ってくれるまで、私は待ちますからぁ。」
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俺は、なんて美しく
優しい人に恋をしたんだろうと惚れ直した。
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作者名:美麗 x他1人 | 作成日時:2020年3月18日 21時