涙 ページ24
胡蝶
.
あの煉獄さんが、涙を流した。
ボロボロと布にシミをつけてまで
みんなが憧れる煉獄さんが....
煉獄「お願いだ....
もう一度君の笑顔を見せて欲しい。
目覚めてくれたら、俺は二度と君をこんな目に合わせない。約束するから....」
約束するから....と、懇願するように
妖光さんの手を握る煉獄さんは
すごく小さく見えた。
.
妖光さんは、柱の中でも実力を持っているのは
彼女の戦いぶりで分かる。
華やかな刀捌き、妖艶な身のこなし方。
まるで舞を踊っているみたいで美しかった。
体は細くて、力が無さそうなのに
意外に力は強かった。
.
私とは違った....
力のない私とは違っていて、
強い彼女に少し嫉妬したのを覚えている。
.
でも、妖光さんの優しい笑みを見れば
そんな感情はさっぱりと消えた。
太陽に照らされた笑顔は、女神と等しい。
私は、彼女の笑顔がもう一度見たい。
鬼になんか、ならないで下さい。
切にそう思った。
.
.
彼女の昏睡から5ヶ月。
彼女が目を覚ました。
気が動転していた私はアオイと一緒に
バタバタと、恥ずかしながら部屋に入ってしまった。
いつも注意している私が、
申し分ない....
「あらぁ、胡蝶さんにアオイさんではないですかぁ。迷惑かけてすみませんねぇ。」
5ヶ月ぶりの美しい笑みに、
思わず涙が出そうになる。
同時に怒りも。
ピキピキと青筋が立つ。
煉獄さんが腫らした目をしながら
止めてくれましたが....
彼女の脈拍などを測り、安静にして下さい、
と伝える。
安心したように笑みを浮かべたから、ボッと
顔が熱くなる。
もっと仲良くなりたい....
.
2人のお邪魔になるかと思い、
アオイと一緒に部屋に出た。
アオイ「....胡蝶さん。」
胡蝶「えぇ。」
「「あの二人、絶対付き合う」」←
.
95人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美麗 x他1人 | 作成日時:2020年3月18日 21時