感触 ページ23
.
胡蝶さんとアオイさんが部屋を出ていったあと
沈黙が起こる。
杏寿郎を見れば顔を俯かせていて....
なんとも気まずい雰囲気だ。
.
煉獄「....君を襲った鬼は誰なんだ？」
動き出したかと思えば
そっと、頬に手を添えられて問われた。
高い体温が直に伝わってくる。
彼の体温と感じるとドクンと胸が高鳴る。
特徴的な眉が不安げに下げられており、
いつもの杏寿郎じゃない事に少し驚いた。
「....鬼舞辻 無惨ですぅ。
鬼化は避けられたようですよぉ、飢餓状態でも
ないですしぃ。」
意識の中で会った無惨様のおかげだ....
しかしそんな事を、言えるはずがない。
そうだな、良かった。と安堵したように
溜息をつく杏寿郎。
とんでもなく世話になってしまったのではないか....
よく顔を見れば、目の下に隈ができている。
「杏寿郎。貴方寝ましたかぁ？」
煉獄「....む、あまり。
君がいつ死んでもおかしくない状態だった故、
心配で寝れなかった。」
本当に、怖かった....
と、力無い言葉。
.
顔が先程より近くなり、端正な顔がよく見えた。
ブワッと顔が熱くなる。
「ｯ！杏寿、郎....」
コツンと、額を合わさられた。
ふわりと彼の優しい香りが鼻に来る。
触り心地のいい彼の髪が、頬に触れて
こそばゆい。
煉獄「君が生きている....それだけで
こんなに心が安らぐ....
君にこんな力があるとはな....」
....私にそんな力は無いのだが
艶の呼吸の漆の型で、艶月夜という
治癒する為の技があるが、使ってない←鈍感
「迷惑かけてごめんなさい。....」
謝るな、と頭を撫でられて、
ゆっくりと彼の目が開かれる。
爛々と光るその目は、私を真っ直ぐに見る。
その熱情に、またも胸が高鳴る。
「(どうした....このくらい、遊郭でやってきたではないか)」
余裕を見せるように、ニコッと笑いかけると
彼は真剣な表情をした。
額を合わせた状態から、彼が離れて
再び顔を近寄せてきた。
.
....チュッ
.
「ｯｯ！....え？」
唇に柔らかい感触。
触れるだけの口付けをされた。
それはあまりにも優しい口付けだった。
目を見開くと、切なげに瞳が揺れる杏寿郎。
.
....なぜそんな顔をするの？
彼から目が離せなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美麗 x他1人 | 作成日時：2020年3月18日 21時
