華 ページ24
煉獄
暑くも感じる晴天。
あの人の顔を思い浮かべながら庭を見つめる。
なんでだろうな、会って数日。
彼女を考えるだけで、胸が騒ぐ。
美しい女性というのはわかっているのだが
それ以外のことで。
何かの病なのだろうか？←
蝶屋敷に行って、胡蝶に診てもらわなければ。
そう考えていると、後ろの襖から千寿郎の声がかかった。
客人？
この前、約束したAか？
そう考えるとまた胸が騒いだ。
入ってきたのは予想通りの彼女だ。
何故か俺の顔を見て固まっている。
心做しか顔が赤い。
杏寿郎「さぁ、入ってくれ！
千寿郎！案内ありがとう！」
千寿郎「いえ！ではぼくはこれで！」
相変わらず礼儀正しく頼もしい弟だ。
千寿郎が居なくなったところで
Aが俺と向かいあわせで座る。
不覚ながら
近くも遠くもないのに、緊張している。
客人相手に緊張とは不甲斐なしｯ！！！！！
Aは申し訳なさそうに
頭を下げた。
「いきなりやって来てすみません。
任務があるかどうか分からないのに。」
杏寿郎「今のところ無いから構わないぞ！頭を上げてくれ！」
そう言うと、美しい顔を上げた。
赤みがかった紫色の瞳が俺を捉える。
杏寿郎「ｯ昨日、不死川との合同任務だったと聞いたが！」
場の雰囲気を変える為、話を変える。
昨日
不死川との合同任務と聞いた瞬間、不死川に良くない気持ちが芽生えたのを覚えている。
「えぇ。彼とは相性があうみたいで
一息で鬼を狩りましたぁ。」
杏寿郎「うむ！そうか！是非とも俺とも合同任務して欲しいものだ！」
今度、御館様に頼んでみようか。
そう考えていると、Aはサッと
差し入れを渡してきた。
「これを。家族様と食べてくださいねぇ。」
杏寿郎「差し入れか！ありがとう！
気を遣わせてすまないな！」
キョトンとAはして、ふふ、と笑う。
「お礼を言ったり、謝ったり。
忙しいですねぇ。」
杏寿郎「はは！そうだな！」
口に手を当て笑う彼女は華のように美しい。
一つ一つの動作に目がいってしまう。
ぱっと、彼女を見ると彼女が着ているその着物。
黒が基調とされていて刺繍がされている。
うむ！妖艶な雰囲気を出すAにはピッタリだ
杏寿郎「その着物、すごく綺麗だな！
....美しいそなたにはよく合う。」
気付けば、俺はそう口走っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美麗 x他1人 | 作成日時：2020年2月10日 2時
