まじない ページ13
煉獄
空を見ると、すっかり暗くなっていた。
満月がきらきらと光る。
俺達は、産屋敷から出て各屋敷へと向かっていた。
妖光も、もう屋敷は準備されたみたいだ。
さすが御館様。手が早い!
「呼び捨てでもいいですのでぇ、仲良くしてくれたら嬉しいですぅ。」
口元に優しい笑みを浮かべる彼女は
正しく天女のようだった。
その視線が俺に向いて、ぎゅっと胸が締め付けられた。
全く、会って数時間しか経ってないのに
こんなに惚れてしまうとは落ちぶれたものだ。
煉獄「うむ!じゃあAと呼ばせてもらう!」
胡蝶「(煉獄さんが一目惚れとは....
明日は、槍でも降るのでしょうか)」←
.
胡蝶「今度、私の屋敷に来てくださいよ。
お茶と甘味を用意するので。」
「是非行かせていただきますぅ!
私は甘味が大好きでしてねぇ。」
不死川「!おはぎは好きか?」
「あれは天からの恵み物ですよねぇ。」
不死川「!!
(やっと、共感してくれる人がいたぜぇ!)」←
数人の柱で談笑しながら歩いていると
彼女の首飾りが妖しくきらりと光った。
宇髄「その首飾り、派手に綺麗だな!!」
「....これは鬼舞辻無惨から貰ったもので、
私のお気に入りなんですぅ。」
宇髄「なっ鬼舞辻から!?」
鬼舞辻無惨に関した話が出ると、
妖光はそっと悲しい笑みを浮かべた。
今さっきとは違う儚げな感じ....
懐かしんでいるのだろうか....
煉獄「真ん中には彼岸花がついてるのか?」
ふと見ると、首飾りの真ん中には
彼岸花のようなものが、下がっていた。
細かく、深く彫刻された花は美しかった。
彼岸花...Aの羽織も彼岸花柄だな。
確か遊郭の女将がくれたと言っていた。
鬼から貰ったものを、今まで肩身外さずつけていたとは....
それも鬼の先祖なのだから、複雑だ。
....一目惚れした相手なのに。
「彼は、彼岸花が好きだと言ってましたから。
そして、まじないをかけてくれたんですぅ。」
彼女は、優しく目つきが
少し変わった。
時透「まじないってどんな?」
「....私自身に、危険な身が迫っていると
この彼岸花が光って知らせてくれるんですぅ。
....ちょうど今みたいな。」
Aは、彼岸花の羽織で隠れていた
刀を取りだした。
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作者名:美麗 x他1人 | 作成日時:2020年2月10日 2時