Secret (ページ8)

今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:142,778 hit

Ⅷ ページ8

小走りで走り去ろうとするも、成人男性の小走りに勝てるわけがない。

そして手を掴まれる

『離してよ。もう私に興味ないんでしょ？』

？「興味無いわけないでしょ？」

そうやって物陰に引っ張られて無理にキスしようとしてくる。

『馬鹿なの？私の事ほったらかして知らない女と遊んでたのお前じゃん。』

「お前、じゃなくて北斗でしょ？」

『知らない、呼びたくもない。』

北「お前こそ、俺の話に耳傾けろよ」

『言い訳とか無用だし、学校で習わなかったの？』

北「言い訳じゃなくて理由だって」

？「はい、そこまで」

軽く言い合いになっていた所をある男性に止められた。

『……照くん？』

北「あの、誰ですか？」

照「ね、その子嫌がってんじゃん。離しなよ」

北「こいつ俺の彼女なんですけど。」

『は？もう違うから』

照「はいはい、もういいからとりあえずこの子は俺が預かるね？じゃ」

そう言葉を放つとまた慣れた手つきで腰に手を回される。そして車に乗せられて、お店への道を走る。

照「それで？説明してもらえる？」

『……丁度杏珠さんに拾われた日、彼奴に捨てられたんです。』

照「ふーん、なんで？」

『なんでって、それは分かんないけど、約束の場所に行って何時間待っても来なくて、家の前まで行ったら女の人との声が聞こえて。あー、捨てられたんだって。』

照「なんでか分からないのに人を軽蔑するのはAも良くないかもね。まあ、9割は相手が悪いけど。」

さすが夜職者、恋愛上手。

『私凄い彼のこと大好きだったのに。』

色々な思い出と共に涙が溢れはじめる。

照「ふは、泣かないでよ」

そう言って照くんは私の頭撫でる。

その手は微かに冷たかった。