番外編.悪戯 ページ36
「ここはこうして―――」
「いや、こっちデショ」
現在E組では、カルマと月島が寺坂の机にとある仕掛けを施していた。
他の生徒は帰り、教室にいるのは二人だけだ。
「ま、こんなもんでしょ」
「百均でそろえたにしては上出来じゃん」
机の上に広がるシュールな光景。まるで映画の小道具のような完成度の高さを、百均の道具で作りあげたらしい。二人の(無駄な)能力の高さがわかる。
先日襲ってきた不良を返り討ちにして得た臨時収入を全て使い、かなりの手間と時間を費やしてまで寺坂に悪戯しているのは、単にストレス発散の為だった。
ムカついたら誰かをからかってストレスを解消する二人だが、寺坂に対しては悪戯をやりすぎて最近マンネリ化してきていた。
そこで、珍しくそこそこの金をかけて新鮮味を追い求めた結果が今の惨状だった。
完成した作品を満足げに眺めていると、廊下から足音が聞こえた。
「?誰か来た?」
「………とりあえず隠れよう」
影に隠れた二人がそっと様子を窺うと、どうやら教室に入ってきたのは研磨だった。
研磨は下を見ながら速足で自分の席へ行き、忘れ物を取り出す。
そして、ふと教室を見回すと、
「ひっ………!!?」
顔を青くして固まった。いや、少し震えているようにも見える。
そんな場面を愉快犯の二人が見逃すはずもなく、パシャリとシャッターを切った。
「おー、ナイスショット」
「結構きれいに取れてるね。どうする、広める?」
「どうしよっかなー」
ものすごく悪い顔をしている。
「これ何?」
「作った」
「は……?」
「ちなみに協力は国見ね」
「…………」
何してるの、とか国見も協力してるの、とか暇なのか、とかいろいろと訊きたいことはあるが、まずは。
「写真消して」
「「やだ」」
このやり取りはしばらく続いた。
そして、次の朝。
いつもはガヤガヤと賑やかな教室は、今日はひそひそ声が飛び交っていた。
「何あれ……」
「あそこ寺坂の席だよな……」
「完成度高っ」
ついに標的の寺坂が教室に入る。
「うおっ!なんじゃこりゃ!!」
机の上は真っ赤に染められ、その上に置いてある小さめの猫(ぬいぐるみ)はカッターでめった刺しにされている。他にも瓶の中に謎の眼球(リアル)が入っていたりシュールな光景だ。
ちなみに犯人の二人は、この結果に満足していた。
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snowrabbit様リク
遅れてすみません。
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ふう(プロフ) - 続きを全裸待機!です (2021年8月25日 14時) (レス) id: da68cdb8be (このIDを非表示/違反報告)
カナカナ - この話ってこれで終わりでしょうか? できれば、続きをやってほしいです! (2020年8月10日 21時) (レス) id: 672b76f857 (このIDを非表示/違反報告)
推しがいっぱい - つづきをやってほしいです 何回もすみません (2020年8月10日 21時) (レス) id: 672b76f857 (このIDを非表示/違反報告)
推しがいっぱい - つっきをやってほしいです! (2020年8月10日 21時) (レス) id: 672b76f857 (このIDを非表示/違反報告)
推しがいっぱい - 主さんが、よければですが、 (2020年8月10日 21時) (レス) id: 672b76f857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポチ公 | 作成日時:2018年7月16日 12時