私だけの幸福論【wrwrd】【syp】 (ページ5)

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「Aさんと、寄りを戻すためです。」

「！？」

驚きで声が出なかった。

だって...嫌われたと思ったから。

そんな私に構わず彼は続けた。

「怪しいと思ったんです。あんなに一途だったAさんが、そんな簡単に俺以外を好きになることなんてあるのかって。それでAさんの従兄弟のコネシマさんに問い詰めたら...病気で2週間後の明日、安楽死するとか聞かされるじゃないですか。頭の中が真っ白になりましたよ。それから病院に行くのが嫌でした。現実を認めるみたいで。けれど...Aさんの病気は手術をして治る可能性があるって。...少しの、確率に賭けてみましょうよ、Aさん。俺は、俺は...貴方に生きて欲しいだけなんです。」

珍しく涙を流しながら告げるショッピくん。

彼が泣くところを見たことなんて一度もなかった。

だからその分驚きも大きかった。

「お願い...します...。生きてくださいよ...。」

泣きながら抱きついてくるショッピ。

心が、揺らいだ。

正直、こんな事ないと思っていたから...動揺が隠せない。

ただ...彼を安心させたくて、抱きつき返す。

...死にたく、ない。

自然と涙が出てきた。

生きたい。

彼とデートしたいし幸せな家庭を築きたいし、まだ読みたい漫画や見たい特集が残っている。

蓋していたものが溢れ出す。

...私は。

「ショッピ。」

「な...なんですか...？」

私の、最後の結論を聞いてね...ショッピ。

　