36 想定外の… ページ40
11:45
突入時刻まであと15分。
どのように突入するか改めて確認すると、
1度ロビーの電気を全て落とし、それと同時に自動ドアのスイッチをONにして外から一斉に突入するらしい。
そして、突入の瞬間に私は自分の能力を使って犯人が持っている武器類を取り上げ無力化するという仕事を任されている。
通話をスマホに切り替え、ワイヤレスイヤホンをつけて表に戻る。
京本『もう少しか…』
「……あれ?また人数減ってません?」
京本『みんなさっき消えたヤツと同じところに行ってるみたい。追跡はできてるみたいだから大丈夫だって。』
「……なら、いいですけど」
11:57
深澤『お、いたいた。今ホテルの正面に着いてる。とりあえずまずは俺らが先に入ってそれに続くように残りの人たちも行くから』
「了解。」
深澤『めめ、いける?』
目黒『俺はいつでも大丈夫』
「…………10,9,8,7,6,5,4」
京本『3,2,1…』
バッという音と共にロビーの電気が全て消えて真っ暗になる。
同時に、電源のついた自動ドアが開き
指揮官の突入の声が聞こえてきた。
私と京本さんもカウンターから出て加勢する。
電気がつく頃には犯人と人質全員が
私たち警察によって押さえつけられていた。
案外能力使わなくてもいけて正直びっくりしている。だがまだ油断はできない。
私はいつでも動けるよう、ほかの刑事に押さえていた人質を引き渡して辺りを見渡す。
…何か感じる違和感。
薮『もう遅いよ』
「っ…!」
距離をとろうと1歩引いた瞬間、
その足をすくわれ私は床に叩きつけられるように倒された。
松村『A!』
「っつ…薮さん、違う。貴方はコントロールされてるんでしょ」
薮『さあ、どうでしょうね?』
「私を動けなくしたってほかのみんなは優秀な人達ばかりだからもう遅い。諦めてください」
薮『それは出来ないな』
「(…このままだとまずい……ん?)」
私は薮さんを睨みつけるようにして掴まれた手を見る。
…やはり。
「…薮さん、どこにやった」
薮?『何言ってるんです?』
ガッ、ドンッ
薮?『うっ…』
「薮さんは左利き。でも今の押さえ方は左利きの人だとやりづらいはず。真似をするならそこまでちゃんと見ておかなきゃ」
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作者名:千陽 | 作成日時:2021年2月7日 16時