213 Devil is not so black as he is painted!!! ページ20
(ライバル、＿＿ライバルか)
悠馬とはあまり“競い合う仲”という感じではないし、西蔭さんとはそもそもポジションが真逆だから、それ以前の問題だと思う。
＿＿“喜べよ。テメェのこと、俺のライバルにしてやる。あのシュート、悔しいけどすげぇ痺れた”
今まで、あまり気にかけなかった言葉。
けれど、そんな新鮮な響きが心地よくて、灰崎くんの声を何度も心の中で繰り返している。
思わず、灰崎くんの顔をじっと見つめ続けてしまう。
灰崎くんもここで自分から逸らすのは悔しいようで、強気な目つきで私を見ていた。
痺れを切らした灰崎くんが“いつまで見てんだ”、と不服な表情を浮かべるのを、待っていようと思っていたけれど。
廊下の向こうから可愛らしい天使が此方に駆け寄ってくるのが見えて、私が先に目を逸らしてしまった。
「……！ すぐ戻るから、部屋で待っていてねって言ったのに。駄目でしょ、ミハイル」
「……ミハイル？」
“まだお話に時間がかかるの？”なんて拗ねているみたい。
くるくる、と私の足元を回る白猫さん＿＿改め、ミハイルを、あの時待っていてくれた時と同じように抱き上げる。
「雨の中放っておけなくてね、ここまで連れて帰って来たんだ。白くてふわふわで、それに空を飛ぶみたいに身軽で。まるで天使みたいだから、ミハイル」
「……テメェ、中二病って言われねぇ？」
「自覚症状はあるよ。でも、悪魔や皇帝を自称する程ではないんじゃないかな」
「俺のこと、野坂と一緒にすんのかよ」
つんつん、と頭を人差し指でつつかれたのは、あの時と一緒。
ただ前とは違って、今度はどこか優しい。
「マグカップ、ありがとう。大事にするから」
「こら。俺が言ったの、それだけじゃなかっただろ」
「そっか。うん、そうだった」
此方へと向けられた拳に、一回り小さな自身の拳をこつん、と合わせる。
もう一度、結び合った視線。
確かめるように笑い合えば、次に出る言葉は痛いくらいの感謝を込めた、いつも通りの挑発だった。
「これから思いっきり、灰崎凌兵という選手を食いにかかるつもりだから。油断なんてしないでね」
「まぁ、せいぜい頑張んな」
そんな態度にも、灰崎くんは満足そうに挑発を挑発で返す、という形でエールをくれた。
ただ、“フィールドの悪魔”と呼ばれる彼は、励ましだけで終わるようなそっけないひとじゃない。
「だが少々、頭が高ぇんじゃねぇの。テメェが食おうとしてるのは、元々食らう側の
episode214→←212 ワンステップ、ストライカー Side R
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三峰 契(プロフ) - かなりさん» コメントありがとうございます！のんびり更新ですが、これからも頑張ります！ (2020年10月9日 14時) (
レス) id: be32126b2e (このIDを非表示/違反報告)
かなり - これからも体に気をつけて頑張って下さい！ずっと応援しています！！ (2020年10月4日 19時) (レス) id: 517f37b5b5 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 続編おめでとうございます！私は、この小説が大好きでとてもドキドキする小説です！！私、野坂君が大好きなのでまだこの小説を続けて欲しいです！！ (2020年10月4日 19時) (レス) id: 517f37b5b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三峰 契 | 作成日時：2020年10月1日 12時
