episode51 Side R ページ4
「何やってんだ」
目に沁みる程真っ青な頭。
このチームで、吉良ヒロトとは全く別の意味で気に入らない奴の姿をフォワードのラインで見つけて、苛立ちをそのままぶつけるように力任せに腕を掴み上げた。
「とっとと戻れ、俺達の邪魔なんだよ」
「何ですか、乱暴だなぁ」
まだ離れる気はなかったようだ。それでも睨み付けてやれば不満そうに手を払い除け、ぶつぶつと文句を垂れながら本来のポジションに戻っていく。
「……おい、A。大丈夫かよ」
「うん。ありがとうね、灰崎くん」
さっき鼻血を出したとは聞いたが、どうやら後半からも続投されるらしい。フォワードが3枚必要なだけならあれほど試合に出たがっていた剛陣を使えばいいのに、あの監督の考えることは全く分からない。
フォワードは俺と吉良ヒロトがいるから、こいつの動きが鈍る程度ならカバーは可能だ。
鬼道の指揮を崩さないか＿＿これはそこまで深刻ではない。荒れていた頃の俺にも対応できた鬼道ならまとめあげられるだろう。
心配事は、一星や敵からの妨害を避け切れるか。
流石にフォワードが2人欠けるのは、チームとしては避けたいに決まっている。
「……結構一緒にいるとこ見るけどよ、まさか一星の奴に付きまとわれてんのか？西蔭が居ねぇ時ばっか狙われてんだろ」
「変に構い過ぎて目付けられた」
「いや完全に自業自得じゃねぇか、バカか！」
わざわざ心配してやったのに損した！
本当に掴みどころもなければ可愛げもない奴。思わずデコピンの一発でも喰らわせてやろうかと思った。
「でも、あの子を放っておくのは嫌だったから」
「ハッ、お人好しが。で、その結果がこれか？テメェ、同情するくらい男運無ぇのな。野坂といい、一星といい」
「男運って」
一星だけじゃなく、野坂の名前まで出されて複雑そうな顔。
FFの決勝戦ではもう少し冷たそうに見えていたが、野坂だって随分柔らかくなったし、そんなもんなのかと勝手に結論付ける。
「まぁ安心しろよ、少なくともこの内の1人は片付く。この試合中に一星を黙らせてやろうぜ、鬼道も動くらしいしな」
鬼道から聞かされた指示は、俺としても都合が良かった。
そして一星に目を付けられている以上、こいつにも利益はあるだろう。
そう見込んで教えてやったものの、Aは困惑したように目を見開いて俺の腕を引いた。
「待って、”試合中”って？灰崎くん、鬼道先輩からどんな指示を出されたの」
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三峰 契(プロフ) - かなりさん» はじめまして、コメントありがとうございます！のんびりですがこれからも更新頑張りますので、よろしくお願いします！ (2020年3月10日 21時) (
レス) id: be32126b2e (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 続きが気になり過ぎて待ちどうしいです。これからも頑張ってください。 (2020年3月10日 15時) (レス) id: b69d3c39c6 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭〜すずらん〜(プロフ) - 始めまして。麗乙女のゆううつのパスワードを教えてもらいたいです！ (2020年2月3日 16時) (レス) id: b5347077cc (このIDを非表示/違反報告)
契(プロフ) - 匿名さん» 初めまして。展開は決まっているのですが、野坂さんと花綺更ちゃん、頭脳派という設定の 2名のやりとりをどのようにまとめるかで長く手こずってしまい…！なので体調は万全です！ご心配お掛けして申し訳ありません。これからも楽しんで頂ける作品を目指して頑張ります！ (2019年12月10日 0時) (レス) id: be32126b2e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 初めまして。以前から楽しく拝見させていただいております。しばらく更新が無かったので体調を崩されているのかと心配しておりました…。花綺更さんと野坂さんの今後をハラハラかつワクワクと今後も楽しみにしております…！ (2019年12月8日 5時) (レス) id: dfef9e7ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三峰 契 | 作成日時：2019年10月6日 8時
