Lotus【短編集】 (ページ5)

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「シアにぃ、私のバッグ。」
「もしかして、この淡桃の？」
「うん。」
「分かった！っと、はいっ！」
「ありがとう。」

シアにぃに渡してもらったバッグを開けて
ピンや、ボックスを取り出す。

ボックスの中には、チークやアイシャドウ。
まつげを上げるビューラー。

他にもたくさんの道具がきれいに並べられていた。

「わぁっ！すっごい量！」
「これ、全部メイク用品？」
「うん。座って。」

私はカナタせんぱいを引っ張り椅子に座らせる。

ボックスの鏡を取り出して準備完了。

髪につげ櫛を通してとかし始めた。

「あの、ミナホ」
「じっと、してて。」
「はい。」

髪を分けて交差させていく。
髪を少しずつ足しながら、出来上がってく形に

シアにぃも興味津々に見ていた。

「なにこれ！？きれいな色！」
「シアにぃ、それラメ。きらきら。
さわる、取れない。」
「あれっ！？手がキラキラしちゃった。」
「…………後で落とす。」

今は、こっちに集中しなきゃ。

三十分後

「すっご………。」
「綺麗な編み目だね。しかも、立体的。
チークとかのメイクまでしてもらっちゃった。」
「これ、裏編み込み。だから、なる。」
「ホンちゃん、こういうの得意なの？」

私は、その言葉に一瞬返すのが詰まった。

「…………ヒミツ。」
「！分かった、これは話さないでおく！」
「そのほうがいいね。」

二人は笑って私の方を見た。

私の秘密は、メイクが得意なこと。

だって、練習した理由が

他の子と話せるようになりたいからだもん。

なんて私は絶対に言わないよ。

「シアにぃ、やって、あげ」
「え、いいの！？やったぁ！
じゃあ僕がホンちゃんを可愛くしてあげる！！」
「え、ミナホがやる側じゃないの、？」ﾎﾞｿｯ
「…………わたし、それ、思う。

でも、シアにぃ、嬉しそう。」ﾎﾞｿｯ

「ほら！早くっ！」

「分かった。」
「あはは…………。」

このあと、シアにぃも手先が器用だからか
とてもきれいに髪がセットされたが

メイクは独特になったのは言うまでもない。