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47話.威圧するよ! お嬢様/RST ページ6

「愚民共。その背中に背負っている者は誰だ。見間違いでなければ、ソイツは私の知り合いのようだが」

 「……へ?」
 「答えろ」
 「え……えっと、𝐶𝑒𝑟𝑒𝑎𝑙さん?」
 「玉田マタロウ。貴様はもう少しまともな判断が下せると思っていたが……それは間違っていたようだな」
 「いやいやいや、まずどうして貴女がこんな場所に?」

 必死に体全体を使い、事態が飲み込めていなく、彼女の行動がなんなのかを議論するかのように声を震わせては玉葱頭の少年は今もなお両手を組み、威圧的に立つ彼女に言葉を放つ。
 それらに構わず、彼女は眠り担がれている人物を指差し、強く覇気を纏った今にでも人を殺めてしまいそうな目付きで二人のメンバーを睨む。

 「そー云われてもよ。会長に云われてっから」
 「私の云うことが聞けないのか?」
 「うん」

 その抜けた声で一瞬の静寂が訪れる。
 彼女が深いため息を吐くと同時に、玉葱頭の少年はおぞましいものを見るかのように恐る恐る彼女の表情を伺い、赤い頭の彼を見、担がれている人物を見て、最初に戻る。
 それを二度三度繰り返しては生まれたての小鹿のように足を震わせる。

 「え……えっと、𝐶𝑒𝑟𝑒𝑎𝑙さん! 僕たちは会長であるラント君に」
 「黙れ。誰が喋って良いと云った」
 「そんな理不尽……」

 ムンクの叫びかのような表情を浮かべる玉葱頭の少年を余所目に、赤い髪の少年に近付いては腕を振りかざし、そのまま頬を打とうとする。
 しかし、彼は身体能力が常人よりも圧倒的に優れており、それは驚かれつつも軽々と避けられる。

 「おいおい、いきなりなにすんだよ」
 「愚民ごときが私に歯向かうな。理由などそれだけ」
 「あわわわわ……こりゃ不味い……ジンペイ君! 僕、ラント君を呼んでくる!」
 「おう! ここは任しとけって」

 その会話を余所に、彼女は眠る人を取り返すべく強行手段を使おうと思ったが、生憎執事が不在。
 武器がなく、単なる殴り合いでは相手に変身されるのがオチだろう。

 暫くお互いに威嚇しあう睨み合いが続いたところで、遂に彼らが来てしまう。
 表面に立ち、立派なヒーローと呼ばれるようになった彼ら。
 その中にはもちろん生徒会長である霧隠ラントも存在する。
 彼が口を開けば、彼女の怒りはより倍増する。

 「……何故、私たちの邪魔をする?」
 「邪魔をする? 自身の持つ権限の用途を間違う愚民には云われたくないな」

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作者名:YSP裏クラブ一同 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2022年8月17日 18時

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