76話 望月ラビの記憶/Chiffon ページ35
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暗い…ここはどこ？
『夢を見てるのかな…』
真っ暗で、何も見えない。
ふと、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「＿＿＿の方が優秀ね」
聞き間違うはずがない、母親の声。
「＿＿＿は偉いな」
父親の声も聞こえる。
私が大嫌いなひとたち。
私のことが大嫌いなひとたち。
「塾行ってるなら、解けて当たり前じゃん」
かつてのクラスメイトの声まで聞こえる。
あたりまえなの？
じゃあ、あのひとたちはわたしになにを求めているの？
全部が全部、私にとって冷たい言葉だ。
「どうしてあなたにはできないの？」
才能がないからだよ
「＿＿＿を見習え」
追いつけるわけないよ
「勉強できる自慢？」
そんなつもりじゃないよ
「＿＿＿の参観日だから行けないわ」
わたしのには1回も来てくれたことないよね
「ピアノのコンクール？＿＿＿が風邪をひいてるのに？」
私が風邪ひいた時はお出かけしてたのに
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
＿＿＿＿＿＿。
抑えていた感情がどうしようもないくらいに溢れてきて、普通じゃない位置にある耳を押さえた。
ぜんぶ伝えていたら、何か変わっていたのだろうか。
塞いでも塞いでも声は聞こえてきて、私のココロをズタズタにしていく。
『誰か＿＿＿』
＿＿＿＿＿＿たすけて
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作者名：YSP裏クラブ一同 x他2人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2022年8月17日 18時
