表と裏。Part2【リレー小説】 (ページ34)

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75話影縫クルミの痛み/Chiffon ページ34

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『痛ッ…』

唐突に全身がぴりぴりしだした。

悪寒、というものだろうか。

…違うかもしれないが。

もしかして、中学に入ってから1度も経験していない風邪の前兆だったり？

『…どうでもいいか』

独り言のように呟くと、先程届いたエルゼメキア様からのメッセージを眺める。

"明日の放課後、いつものところに来て"

私とエルゼメキア様は定期的にある場所で会って情報を交換している。

しかし、今回はいつもより早い…

何かあったのではないかという不安が胸の中で広がる。

『……え？』

ふと視界の端の鏡に映った自分を見ると、明らかに違和感があった。

自分の髪の毛の黒い部分。

明らかにいつもより増えている。

…思えば、小さい頃は黒い部分なんて無かった。

ツギハギのことといい、この間から一体何が起きているのか。

『……とりあえず、明日エルゼメキア様に相談してみよう』

それにしても、先程から全身の痛みが止まらない。

不安の原因はコレにもあるのだろうか。

本当に風邪だったら明日のエルゼメキア様との報告会に支障が出ると思い、今日は早く寝ることにした。

同じ頃、知人が闇に飲まれているとも知らずに。

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