45話 歓迎と不安とそれからと ブドウ ページ4
「それではーっ! ヨミちゃんが退院した事を祝う&1年生と初めましての歓迎会を始めます!」
ノエルがそう宣言すると、他の部員も一斉に紙コップを持ち上げる
『かんぱーい!』
綺麗に部員たちの声が揃い、コップの中のジュースが揺れた
「ヨミちゃん、初めまして。望月ラビっていうんだ。これからよろしくね」
「ラビちゃん、よろしくね……後、そんなに固くならなくてもいいよ」
カチコチに固まりながら自己紹介をしたラビに、思わずヨミの顔も綻ぶ。可愛い後輩がいつの間にか出来ていたなんて、幸せ者だな私は
そんな風にのんびり喋っていると、突撃してくるふたつの影
「ミィちゃん何してんのっ僕も混ぜて!」
「ヨミちゃん久しぶりいぃ!」
「シアンくん……急に突撃してこないの。ノエルちゃんも、だけど」
突撃したきた2人の頭を撫でながら宥めるヨミ。それを見てラビが一言「お姉ちゃん…」と呟く
「お、ラーちゃんも突撃する?」「ヨミちゃんは大抵の事じゃ倒れないよー!」「やらないよ……!」
3人とも仲が良いなぁと笑いながら、ふと辺りを見回す
見知った茶色い頭と白い頭が見えるかもしれないと
でも部室の何処にもそのふたつの色は見えない
どうしたんだろう。そんなヨミの心境を悟ったようにシアンが話した
「リッちゃんとハーくんには連絡しといたけど、どっか行ってるみたいでさー…。折角ミィちゃんが来たってのに!」
大方修行かな、とヨミは考えた。リンの事だ。きっと自分が倒れた事で負い目を感じているかも…だなんて虫が良すぎるか。
ぼーっとしながら周りを見ると、騒がしい箇所を見つけた。何やらジュースの事で騒いでいるらしい
「あーっ!!もうジュースなくなっちゃってるじゃん!」
「嘘……2リットルを三本買ってきてたのに……」
皆が凄いハイペースで飲むため、すぐにジュースはなくなる。2リットルでも追いつかないほど
あー。と納得しながらヨミは手を挙げた
「じゃあ私、買ってくるよ」
それから1悶着あったが、普通にヨミが買い出しに出た。ヨミは主役とかは気にせず行くタイプなのだ
階段を降りていた時、ヨミの耳が「声」を聞き取った
──黒瀬ヨミって人だっけ?生徒会長に連れてく人
──重大な校則違反ってなんだろう……後一応先輩だから、ジンペイ君……
遠回りしよう。そう思って反対側を向いた瞬間に、呼び止められる
「あーー! お前が黒瀬ヨミだな!」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:YSP裏クラブ一同 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2022年8月17日 18時