64話.革新エルコは帰ってくる ページ23
「帰ってきた……なんて、云っても変わらないわよねぇ……荷物整理しないと……」
キャリーバッグを片手に、自身の寮へと向かおうと足を動かしてはこれからのことを考えてみる。
これから……残りの数ヶ月で
躊躇っちゃ駄目。迷いもしない。私は誓ったのだから、一度決めたこれを曲げるわけにはいかないのよ。
必ず……必ずあの女を殺さないと……！
そんな責任感か使命感に駆られていると、自然と手に力が込められ、金属音が鳴る。
「あら、まだ取ってくれないの？ 悲しいわぁ……」
「いいい、嫌に決まってんだろバーカ！」
一羽の小鳥が、絶対に発せられないような低い声色でそう叫んだら、宙に舞ってみせる。
なんて失礼なこと。
私は小鳥を掴み、それを顔に近づける。
「駄目でしょう？ そんなこと云っちゃ……ね？」
「わ……わかったよ」
「そう、良い子ねぇ」
そう笑いながら云えば、小鳥は肩を揺らして手の内から逃げてしまう。
反抗期かしら。
それにしても……この学園にはあの女がいると同時に、チアキちゃんもいる。
私の可愛い
思わず溢れる笑みを浮かべては、小鳥はまた怯えながら言葉を発する。
「お、おい！ お前また＿＿」
「駄目じゃない。
「う……わかったよ。ま、まぁでも！ また変なことするんじゃないよな！？」
「そんなことはしないわぁ。安心してね」
やっぱり反抗期かしら。
と、何はさておき、部屋に着いたのだから片付けなくちゃね。
一通り片付けが終わり、ここに戻ってきたことを実感しなおす。
えぇ、部室には行った方が良いわよね。
さっきまで歩いていた足をまた動かし、今度は部室へと向かう。
久々に
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：YSP裏クラブ一同 x他2人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2022年8月17日 18時
