表と裏。Part2【リレー小説】 (ページ21)

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62話裏クラブの撤退/Chiffon ページ21

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「金輪際、このような行動はお控えください」

ヨミちゃんがこう言うと、わちゃわちゃとした空気は静まり返った。

すると、赤猫くん＿＿＿寺刃ジンペイは文句を言った。

「なんでだよ！俺たちは会長に言われただけだし！」

なんて無責任なんだろう

この発言により、裏クラブメンバーの怒りは爆発寸前になった。

しかし、これ以上学園内で暴れるのは裏クラブの存続に関わる…かもしれない。

それはみんなも分かっているようで、そろそろ引き時だという空気が流れている。

赤猫くんの言葉に反応しないという大人の対応をなんとか乗り越えて、私たちは表メンバーを睨みつけた。

私は上手く睨めているかわからないけど。

睨み合いは長くは続かなかった。

リンちゃんが破壊されてドロドロになった廊下の壁や床を妖術を使って元通りにした。

「次ミィちゃんに手出したら…どうなるか分かってるよね？」

張り詰めた空気の中、シアンくんがこう言ったのを最後に、裏クラブは戦場を後にした。

なんだか後味が悪くて1度振り向くと、チアキくんと目が合ってしまった。

どんな感情を込めた視線なのか分からない内に目を逸らして、意味もなく隣にいたノエルちゃんの腕にしがみついた。

「どうしたの？」

『…なんでもないよ！』

今の顔を見られたくなくて、咄嗟に笑顔を作った。

「ラビ、顔色悪いし保健室行く？」

『大丈夫…』

多分このまま部室に行くのだろう。

私だけ抜けるのはなんだか申し訳ない。

帰り道は静かだった。

誰一人として、先程のことを話す者はいなかった。

『(やっぱり変身し過ぎたのかな…)』

強がってリンちゃんの言葉を無視してしまったが、頭がぼうっとする。

それに、少しでも気を抜くと泣き出してしまいそうだ。

一瞬で視線を逸らしたはずなのに、チアキくんの目が頭から離れない。

『あ、あの…やっぱり私、体調悪いみたい…今日は先に帰ってもいいかな』

「いいよ！無理しないで！」

「1人で帰れる？」

『大丈夫だよ！』

皆に別れを告げ、1人寮への道を辿り始めた。

その瞬間、涙が溢れてきた。

人に見られたらまずいと分かっていても、止まらない。

ホップスが心配そうに(表情は分からないが)見上げてきた。

『ごめんねホップス…ごめんねみんな……』

もう…どうしたらいいのか分からないよ

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