61話 金輪際、お控えください ページ20
何だか騒がしい。もしかして、捕まったのかな
そう思うと、目を開けるのが怖くて気絶したフリを続けていた。
時々聞こえてくる爆発音と裏の皆の声。不安と安心感がいっぺんにやって来てなんとも言えない感情に包まれる
その時、パリン、と何かが割れるような音がしてそっと体を抱き上げられる。小さくヨミねえ、と自分の名前を呼ぶその声につられ、目を開けた
「あ!ヨミねぇ起きた!」
「ミィちゃぁぁぁん!あのバカに何もされてないよね!?」
「ヨミちゃん!大丈夫だった?遅れてごめんね…!」
「ヨミ先輩、あの人達を何とかしてください!特にこのバディ2人組を!!」
一気にギャーギャー騒ぎ始めた皆に表の皆さんがポカンとしているのが見える。その中で、驚いた様に目を見開く幼なじみの姿が目にとまった
「ヨミ!何故退院したと伝えなかった!」
幼なじみ…ラント君の叫び声にビクッと跳ねる自分の体。それを見てリンちゃんが庇うように私を抱きしめた
「ご、ごめんなさ、」
「何でそれをミィちゃんに言うのさ……元凶はお前だろ?」
「ヨミねえが謝る理由は何?まだ、足りてなかったかな…再起不能になるまで、叩いてあげようか?」
癖でごめんなさいと言おうとした瞬間に2人に遮られる。リンちゃんの抱きしめる力が強くなる。
「リン先輩もシアンも過激なんだよ……。一応は反省しただろうが!流石にもう誘拐未遂なんてしないだろ!」
「ルコくんいつもありがとう……」
そんな風に、皆にいつもの空気が流れ出す。そんな時にコツコツと近付いてくる2つの足音。
振り返ると、傷だらけのメザちゃんと、疲れたようなハクヤ君だった
「ふん。まあお前はこんなもので倒れる訳は無いとしっていたがな」
「エーデル……誰よりも先に来て戦ってたのはお前だろ…」
更にメンバーが増え、混乱する表にメザちゃんが顔を向けた
「お前達はこの者共の集まりの名も知らないのだろう……そんな愚民共に変わり、私が言ってやろう
私達は、YSP裏クラブだ。お前らの様な新米よりかは幾分か強い者共だ。精々コイツらよりも上をめざせ」
それだけ言って黙り込んだメザちゃんに、更に困惑する表。ラントくんは、信じられないというような目を私とシアン君に向ける。
シアン君をその視線から守るように後ろに下がらせ、私が1歩前に踏み出す
「私達は、YSP裏クラブ。この場を借りて言わせていただきます…金輪際、この様な行動はお控えください。」
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作者名:YSP裏クラブ一同 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2022年8月17日 18時