検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:589 hit

53話月に浮かぶは冷たい視線 ページ12





ぱすっ、と音がして

少し薬品と血の匂いが鼻をかすめる。




「り、ちゃ。僕………。」
「あーあー、顔が血で汚れちゃってる!」
「んわ、ちょっ、今戦闘!」



ハンカチを取り出して彼の顔を拭きながら妖術で洗う。
いつもならわーわー言ってるシアン。


全然いつもと違うじゃない。






「バカ。」
「え、ちょっと帰ってきたそうそう酷いよぉ!」
「相棒の前でくらい弱くなってくれてもいいじゃない。」


そう言えば、彼は少し目を開いた。






「………それは、」
「出来ない。なんて言わせないからね。

後でたっぷり聞きに行くし話すまで開放したげない。」
「えぇ〜………。実験は」
「だあめ。

それで、会長さん。貴方の後ろ。
私のおねぇちゃんですよね?」




そう言えば、彼は顔を顰め周りは驚愕する。



「えー!そうなのか!じゃああんたはこの人の妹?」
「んなわけ無いでしょお!ジンペイくん!」
「彼女に妹は居ないはずだ。」


そんなコントを繰り広げる彼ら。
玉ねぎくんと赤猫くん。



そして、静かに否定する会長さん。




「あー、言葉足らずでしたね。

私と黒瀬ヨミ。私達は姉妹のような関係でして。
まあ、つまりといいますか。



貴方達に迷惑すること、なんにもしてないの分かってるんです。

だって、ヨミねぇはずっと寝てたんですから。
これは証拠がありますよ。」

彼の顰め面に私はニコリと微笑む。



「さあ、それで?証拠の有る私。
そして、証拠が今のところ提示できてないような貴方。


赤猫くんはどちらを信じます?」



少し、焦ったような困ったような顔をした彼の頬。
私は両手で包み込んだ。


…………他の二人はキャーキャーしないでもらってもいいかな?


なんて思いつつ私はお決まりの言葉を放つ。


「私は、全てを掌握してるの。」



パッと手を離し、ゆっくりと彼からヨミねえを貰い受ける。


その時、誰も抵抗しなかった。

いや出来なかったんだろうけど。




「ありがとね。」


シアンの隣にヨミねぇを置き指を鳴らせば
彼らの体が動き出す。



「な、今っ、動けなかったぞ!凄いじゃんお前!」
「ジンペイくん!?ヨミさん取られちゃったんだよ!?」



微笑ましい………まるでうちのクラブ。


「で、会長さん。私の家族に手を出した責任取れます?」



すると、ウォッチを取り出した会長さんに赤猫くん達は驚愕する。


「随分、欲ばかりなのね。」


そう言って、杖掲げた時だった。


肩を叩かれたのは。

54話 全ては貴方の運次第!→←52話 月宮リンの"大切な人"



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 0.0/10 (0 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:YSP裏クラブ一同 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2022年8月17日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。