表と裏。【リレー小説】 (ページ49)

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「かき氷？売ってなかったよな？」
「あ、実は練乳とか混ぜて簡単に作れるから。
なんか、作りたくなっちゃって寮のキッチン借りて作ったんだ。」
「リンリンすごいねぇ。だって全員分でしょ？」
「え、リンちゃんが全部作ったの？！」
「えへへ、皆の喜ぶ顔が見たくなっちゃって。」

かき氷を頬張れば、ドカンと音が鳴り

水が割れているのが見えた。

これは

「「「ハクヤ/くんだね/だよ/な。」」」

口を揃えて、苦笑い。
恒例のような光景に私は遠い目をした。

「行ってくる。」
「リンちゃん、無理はしないでね。」
「ん、ありがとう。メグルくん、これ追加のシロップ。
二人にもあるから足りないなぁって思ったらかけて！」

私は、3人にシロップを渡して私の怨霊の元へと走った。

「え、でも、僕たちのせいじゃないよ」
「そーだよ！悪くないよ私たち！」

着いてみれば聞こえる声にまた苦笑い。

解剖禁止やらに反対だのなんだの言ってる二人。
そして、真面目に考え出す二人。
そして混乱してるラビ。

海を戻さずに話してて大丈夫なのだろうか。

「リンちゃん！これは」
「分かってる大丈夫だよ。

あのー、四人とも？海の状態戻さずに話してたら

割れたところに勢いよく波が突っ込んで来るけど。」

そう言えば、タイミングよく波が突っ込んできて

四人の体を濡らした。

多分、大きな水鉄砲食らったみたいな衝撃だろう。

ようやく四人はびしょ濡れで私の方を見る。

ちなみにラビは私が妖力で覆ったから濡れてません。

「はぁ………。シアン、ノエル先輩。
ラビのこと、困らせないでください。

親友困らせてるってどういう神経してるの？」
「あの、リッちゃん、これは」
「悪くない以前の問題に泳げない人を無理に連れてかないの。」
「うぅ………。」

そして、私はハクヤの方を向く。

「ハクヤ、海を割ったら直せとあれだけ言ったよね？
ヨミねぇ、ハクヤのペースに呑まれないで。暴走する。」
「う……。」

そして、ラビの方を私は向く。

「ラビ、伝えることは一つ。泳げないなら言って。」
「うっ……。」

「はぁ……とにかく！これでお説教はおしまいっ！
かき氷食べて反省しなさいっ！」

かき氷を渡し、みんなを見る。

「リッちゃん………？」
「いっぱい怒ったあとは甘いの食べて仲直りしよ。ね？」
「っーリッちゃぁん！！」

ぎゅうっと飛び込んでくるシアンを受け止め
なでながら私は笑うのだった。