表と裏。【リレー小説】 (ページ47)

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沖に出て数分後、私とノエルちゃん、シアンくんはしばらく普通に水をかけあったり、なぜか私の浮き輪を引っ張りあったりして遊んでいた。

その最中ふと岩場の方を見たら、影縫さんを背負って歩く雨夜鳥さんと目が合ってしまい恐怖と気まずさで泣きそうになったけど…。

夢中になって遊んでいるうちに移動してしまったのかな。

私たち3人はいつの間にかかなり深いところまで来ていた。

既に足は海底からかなり離れている。

え、2人とも、なんで浮いていられるの？

答え:泳げるから

どうでもいい事を考えていたその時だった。

突然、大きな波が勢いよく押し寄せてきた。

『う、わわ…』

「こっちの方波すごいね〜」

「危ないから戻った方がいいかもね！」

もちろん誰も反対なんてするはずもなく、浅い方に戻ることになった。

また大きな波が迫っている。

ここまで来たのと同じように、また2人に浮き輪を引っ張ってもらう。

＿＿＿いや、引っ張ってもらおうとした。

「「ラビちゃん！！/ラーちゃん！！」」

視界がぐるんと反転した。

『(え………)』

思わず瞑ってしまった目を開こうとして、初めて自分が海に沈もうとしていることに気づいた。

先程の波に追いつかれて…？

無理やり目を開くと、うっすらと2人の影と、空になった浮き輪が見える。

息ができない。少し水を飲んだ。苦しい。

必死にもがいたが、残念ながら私は泳げないのだ。

そうしているうちに、どんどん沈む自分の体。

どうして、自分は泳げないのだろうか。

……他力本願。2人とも助けてください。

願った通り、次の瞬間には2人が飛び込んできた。

どちらのものがは分からないが手が伸びてきて、私の腕をつかむ。

少し遅れて、反対の手もつかまれる。

それと同時に、海が割れた。

比喩表現とかそんなんじゃなく、物理的に。

聞こえてくる怒鳴り声からしてどうやらハクヤさんがやったらしい。神話ですか？

何はともあれ、助かった。

…あれ？海が割れたってことは底に落ちるんじゃ？

そう思った次の瞬間、左足首に激痛。

遅れて、少し上にいた2人が降ってくる。

『んぐ』

見事に2人の下敷きになった…。

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