表と裏。【リレー小説】 (ページ28)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:800 hit

27話　霞ヶ浦シアンは鎌をかけたい/ぽんずページ28

.

「ねぇ、リッちゃん。ハーくん借りてもいい？」

「え、うん」

リュっちゃんの情報提供会が終わって解散の空気が流れる裏クラブの教室で、ハーくんとニコイチのリッちゃんにハーくんにちょっかい掛ける許可をもらう。

ん？僕の『借りる』は『何してもいい？』と同義だからね((

「俺に何か話か？」

「うん。1対1の話がしたいの〜いい？」

「俺は一向に構わないぞ」

「じゃー廊下行こっ」

そう言ってハーくんの背中を押していると、リッちゃんに服を掴まれる。

「あの、シアン…」

「ん〜？なぁに？」

「っハ、ハクヤは味方、だからね…？」

リッちゃんの不安そうな顔。昨日は僕が君がいなくならないか不安になってたのに。不思議。

リッちゃんは僕が裏切りや、嘘が嫌いなのよぉく知ってるから、そんな不安になってるんだよね。

大丈夫だよ。

「知ってるよ〜！ハーくんはカッコいい僕のおにーちゃんだからね！」

「俺はお前みたいな自由奔放な弟は嫌だ」

「ひどっ！！」

軽い弄り合いをしながら廊下に出る。どちらが言わずとも、自然と人がいない廊下の死角に向かう。

「ねぇハーくん」

「なんだ」

「宇宙人、信じてる？」

「まぁな」

「そっか
じゃあさ、

僕らのことは信じてる…？」

さっきハーくんの背中を押した時、ポケットからくすねたUSBを見せながら聞く。

「お前、いつの間に…」

「ふふーん、僕手癖が悪くってさ。こーゆーの得意なの」

「はぁ……本当にお前って奴は…」

右手で綺麗な白髪をくしゃくしゃにしながら呆れているハーくん。

「ごめんね、怒っちゃったかな？

でも許してね。僕は知りたいんだ。気になったんだ。

ハーくんの心を、考えてることを理解したいんだ」

僕は人の心が分からないから。

気になった事は気が済むまで解明したいから。

だから教えて。

「これを、ハーくんは貰ったの？」

「あぁ…」

「ハーくんは、これをくれた人を信じたいの…？」

「信じたい…というか、」

人差し指を口元に当て、考え、口を開く。