１５５話 ページ26
フィン「そういえば…よく兎型に切れましたね？」
貴方「うん…。昔ね、お母さんが切ってるのを見てたんだぁ…」
フィン「へぇ〜……。」
夕飯が終わり、フィンの部屋でお話していた。
貴方「って言っても、最近出来るようになったんだけどね…」
フィン「そうだったんですか？」
貴方「だから、あんまり上手くないんだけどね。」
フィン「そんなことないですよー！」
貴方「ありがとう」
フィンが私の隣に座った。
フィン「ねぇ、Aさん…。」
貴方「は…はい？」
いきなり真剣な口調になるフィン。
フィン「……もし…話せるなら、ご両親の事……。僕に話してくれませんか…？」
貴方「え…？」
フィン「Aさんの辛さ、僕にも分けてください…!!僕、Aさんを助けたいんです…!」
貴方「フィン…」
フィン「強引かもしれませんが…それでも……Aさんに少しでも近づきたいんです…!!」
貴方「…」
こんなに私を思ってくれていたのに、
何で気づかなかったんだろう…？
フィンだけじゃない…。
ノーレも、スヴィも……アイス。
それにデンだって…
自分なりのやり方で、私を励まそうと……。
なら、私はそれに答えるべきじゃないの？
今、私に出来る事は＿＿＿＿＿＿。
貴方「わかったよ、フィン…。話すよ。」
フィン「Aさん…!」
貴方「くだらないけど…。それでも…。」
フィン。
貴方だけにでも、聞いてほしい。
こんなに人を思ったのは初めてかもしれない。
フィンの優しさを利用してるのかもと、
思う時もあるけれど…。
フィンの真っ直ぐな瞳、
その揺るぎないココロに元気付けられた。
貴方「それでも……聞いて…貰えますか……？」
フィン「……勿論ですよ」
貴方の少し微笑む顔に、安心感を覚えた。
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作者名：暁兔 x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年2月17日 23時
