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笑顔がひとつ ページ2

暖かい家族を感じさせる小さなアパートに、


小さな星の様な声が響いた。



「千冬。

 起きて。」



彼女は困っていた。

昨晩、弟が喧嘩したであろう怪我の多さで帰って来てから、風呂にも入らず特攻服とやらのまま、
寝てしまっているのだ。


「(もう少しで学校なのに、、

  このまま行って、圭介くんびっくりしそうだなぁ。)」


悶々としていると、彼女の母親らしき女性が、顔を出した。



「A?

 あぁ、、、千冬は私が起こしとくから、アンタは先に行ってなさい。」


「でも、、」


「いいの、

 Aは“良い子”ね。」


「、、、、ごめんね。じゃあ、行ってくる。」


「はい。行ってらっしゃい。」





ギィ,,,


ガチャン




「、、、行って来ます。」



扉の前で、彼女は寂しそうに言った。








「ア、、

 
 Aさん、、?」




「あっ、、

 圭介くん、、、!

 ごめん!うちの弟だよね!!今寝坊してて、、、」



「あ、いヤ、、、


 良いんですけど、、、、」


「、、、?」



彼は、少し気まずそうに言った。



「だい、じょうぶですか?」



「、、、、良く、分からないけど、


 全然体調とかには問題はないよ?」




彼女はそう言って、苦笑いをした。



「、、、そうっ、、すか、、、」



彼も、少し気まずそうな顔をしていた。

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作者名:千飴 | 作成日時:2023年10月16日 20時

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