元彼の平野くん -another- (ページ10)

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「「「紫耀くん！！！」」」」

休み時間

平野くんの周りには
女子女子女子！！！

平野くんにチョコを渡したい女の子でいっぱいだった。

「すごっ。」

やっぱり人気だな平野くんは。

でもなぜか平野くんの手元にはチョコらしきものはひとつもない。

それどころか平野くんはチョコを受けとる素振りも見せない。

あんなに渡したがってる子沢山いるのに、、
なんでだろ。

と不思議に思っていたら
廊下に廉が通るのが見えた。

手に沢山のチョコを抱えて歩く廉。

そうだ。今のうちに廉に渡しちゃお。

そう思って教室を出る。

「れーん！」

「お、A！」

「すごいな。チョコ。」

「うん、やばいわ。袋足りんくて。」

「なに、自慢ですかー？」

「まあな。」

と、廉と話してたら隣にいた廉の友達に声をかけられた。

「わ、Aちゃんじゃん！！かわいいー！」

「え？」

急に話しかけられて動揺する私をよそに
廉の友達は話し続ける。

「有名だよAちゃん。可愛いって。
でもやっぱ廉の妹だよなー。似てるわ。目元とか。」

そういって顔が近づく

「おい、近いわバカ」

すぐさま廉がその人を引っ張って離させる

うん。やっぱシスコン

「可愛いなんて、今更すぎやろ。
俺の妹なんやから可愛いに決まってるやん。」

そう言って廉が私を引き寄せる。

「わっ！ちょっと」

「おいー！兄妹でイチャイチャすんなよー！」

と、冷やかしまでいれられる。

「もう廉！！やめてや学校で。」

「ごめんて」

「あ、あとこれ。チョコ！朝渡せなかったから」

「お、サンキュー。嬉しいわ。」

ありがとな。

そう言って廉は私の頭を撫でた。

「いーなー廉。おれもAちゃんからチョコ欲しい～。」

そのやりとりを見てた廉の友達がからかうようにそう言ってくる。

「だめ。死んでも許さん。」

それに真顔で答える廉。

周りの女子はそんな廉にキャーキャー言ってる。

めっちゃ注目されてるし、恥ずかしすぎる。
シスコンもほどほどにして欲しいわ。

そんなこんなで話しているとチャイムがなって、慌てて去っていった廉。

私も急いで教室に入る。

ふと目線をずらすと
バチっと平野くんと目があった。

だけど、、

すぐにそらされてしまった。

最近こういうこと、多いな。

そんなことを思いながら
モヤモヤは全然消えなかった。