元彼の平野くん -another- (ページ1)

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初めて見た君

金魚に笑いかけてる女の子

変な奴と思いながらも
その笑顔が頭から離れなかった

__________一目惚れ、だった。

特別かわいいってわけでもない。

だけど、なぜかその子を見るたびに
密かに目で追いかけている自分がいた

「美玲～！おはよ！！」

「おはようA。今日も見てきたの？ペクちゃん」

「もちろん！もうね、かっわいいの！！」

そう言って満面の笑みで友達と話している君

へえ、Aって言うんや

その笑顔を俺にも向けて欲しい、なんて

なんか俺ストーカーみたいやな。
って自分に勝手に呆れてる

他の女は何もしなくてもホイホイついてくる

だけど君は俺に見向きもしなくて

だからそんな君の目にどうしても映りたくて
俺は勇気を出して話しかけた

「なあなあ、その金魚、なんて言うん？」

君の瞳が俺を捉える

ドキッドキッ

高まる俺の胸

こんなの初めてで緊張する

「ん、えっと。

ペクちゃんです。」

戸惑ったような君

「へえ、かわええな！名前は？」

なんとか話を繋いで君の名前を聞こうとした

ほんとは、金魚の名前も君の名前も知ってたけど

「？？えっと、ペクちゃんですよ？」

「あはは！じゃなくて、君は？」

「永瀬...です」

「下は？」

「...A」

「へえ、かわええな。Aちゃん！よろしく！」

頑張った。まじで頑張った。

調子乗ってかわええななんて
そんなことも言ってしまった。

誰かに話しかけんのがこんなに緊張するなんて、

だけど...

やっと話せた。