元彼の平野くん -another- (ページ3)

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それから私たちはぶらぶらと買い物をすることにした。

「うわあなんやろ。めっちゃ緊張すんねんけど。」

そう言ってリュックの紐をキュってもつ平野くん

「ええ？なんで？」

「わからんけど」

「なにそれw」

「でも多分嬉しいんやと思う」

「うれしい？」

「うん。Aちゃんとデートできて嬉しい。」

その平野くんの言葉に、あ、これデートなんだ
って今さら気づく

そっか。デートか。デートなのか。

•••

そう思ったらなんか恥ずかしくなって黙り込む私

そんな私に気づいて平野くんはあわあわし始めた

「あっごめん。俺いまデートとか。
そんなんやないよな。ごめん変なこと言って。」

うわーやっちゃったーって
一人でオロオロしてそう言う平野くん

なんか、胸らへんがキューンて
した気がする。

なんでだろう。
オロオロしてる平野くんが可愛くて仕方ない

「ううん。これデートだよね。デート！」

私がそう言うと少し目を見開いてこっちを見て、
そのあとゆっくりと平野くんの口角が上がった

「やばっ。まじうれしい。」

平野くんが口元を覆ってそういった声は私には聞こえなくて

「え？なんて言ったの？いま」

「え、ううん。なんもない」

「うそー。なんか言ったでしょ！」

「言ってへんて。早よ行くで。」

そう言って先に歩く平野くん

わたしは走って追いつく

そしてどちらからともなく見つめ合い微笑んだ

あ、まただ。

またさっきみたいに胸がキューンて、した。