最終話：もう君を不眠にはさせないから ページ35
「…もしかして、それで俺を避けてた？」
目黒さんが一瞬眉を下げて悲しそうな顔をした。
嘘について否定をしない目黒さんは思い当たる事がありそうだった。
「…嘘…ついてるんですか？…不眠症じゃないんですか？」
言葉にするだけで
今まで同じ悩みを二人で乗り越えていたと思っていた時がどれだけ嬉しかったかと
胸が痛くなっていく
苦しい
泣きそうだ
目黒さんが唇をぎゅっと閉じて、強い目力で私をまっすぐに見つめて
唇をゆっくりと開いて
「ごめん、Aさん。俺嘘ついてた」
はっきりと目黒さんの声で
嘘だと聞いて
思っていたよりも私はショックで
もし嘘をついたらどうする？と言われた時に
きっと何かは嘘をついているのかもしれないと思っていたくせに
じっと目黒さんを見つめながら
涙が目の中に溜まってきてしまって
ベッドに横になったままだったから、我慢しようとしても涙は溢れて流れてしまった。
泣くなんて重たい行動を取りたく無かったのに、涙が流れてしまって慌てて拭おうと手を顔に持っていこうとすれば
私の手首を目黒さんが掴んで
「俺、その涙期待していい？」
Aさん、俺がなんで嘘ついたかわかる？と優しい声で囁いて
掴んでいた手を離したと思ったら、目黒さんのその手が私の頬を撫でてから親指で涙を拭った。
「俺、Aさんと仲良くなりたかったから、Aさんの悩みも助けてあげたかったから…ごめん。嘘ついた」
実は俺、俺が専属モデルやってる雑誌の別ページの撮影現場でAさん見た事あったんだ。俺もモデルやりはじめたばっかで、Aさんも新人でがむしゃらに頑張ってて応援したくなって、それからも時々見かけたりスタイリングで名前見つけると嬉しくって。
目黒さんが知らなかった話をしてくれて
「あぁ、きっと俺はこの人を好きになるって思ってた」
会ってもっと好きになった。
目黒さんの話が嘘のような嬉しい話で
信じられなくて
涙がこぼれる度に目黒さんが拭って頬を撫でて
「…嘘？」
思わずそう聞けば
目黒さんは笑って
「もうAさんに二度と嘘はつかないから」
だから俺と付き合ってください
涙をこぼし続けた私が小さく頷けば
「好きだよ」
Aさん。
好き。
繰り返して愛を伝えてくれる目黒さんに
小さな声で私も気持ちを伝えれば
指が唇に触れたあと
そっと優しく唇が触れた。
もうAさんを不眠にしないよ
END
終わり
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みか - お疲れ様でした！ (2月25日 20時) (
レス) id: 11e98131e9 (このIDを非表示/違反報告)
さおりん(プロフ) - こんばんは。完結おめでとうございます。気がつけばふわっと終わってる〜！ハッピーエンドだからいいけども！目黒くんの話し声で寝たい人生でした。ありがとうございました。 (2月24日 17時) (レス) id: b19d2edb84 (このIDを非表示/違反報告)
chako(プロフ) - みかさん» みかさんこんばんは！嬉しいお言葉ありがとうございます！お言葉もらえただけで励みになります！！ (2月15日 23時) (レス) id: 4bcc778cb3 (このIDを非表示/違反報告)
みか - 気になる展開になってきた (2月12日 16時) (レス) id: 11e98131e9 (このIDを非表示/違反報告)
chako(プロフ) - 游さん» 游さんこんばんは。いつもありがとうございます！修正しました！ (2月10日 23時) (レス) id: 4bcc778cb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chako
| 作成日時：2023年10月30日 20時
