29.嘘をついてますか? ページ34
「打ち合わせ行ってきます」
編集部への打ち合わせで事務所を出た。
今日は目黒さんモデルのページ打ち合わせだけれど
目黒さんは来ない。
その分まだ気が楽だ。
撮影の日には会わなければいけないけれど、その時までに本当の事を聞く勇気を…。
「おはようございます!」
出版社の編集部に到着して挨拶をしながら会議室に向かえば
目眩がした。
早く打ち合わせ終えて事務所に戻らないとダメかもしれない。
今日は体調が悪すぎる。
睡眠不足だけじゃなく、貧血なのか気持ちも悪い。
「Aさん顔色悪いですよ?大丈夫ですか?」
編集さんの声が聞こえる。
笑顔で大丈夫だと返事を
したかったのに
もう目の前が真っ白になっていた。
自分が倒れた事に気がついたのはベッドの上で。
何がどうなって、誰がどうしたのか
目が覚めたら見慣れない景色の部屋…そして
…隣に目黒さん!!??
「Aさん大丈夫?顔色少し良くなったね」
って。
なんで目黒さんが…?
そしてここは…?と目線を泳がせた私に
「俺ね、打ち合わせに行く必要なかったんだけどAさんに会いたかったから行ってて。倒れたって聞いてマジで心配して会議室飛び出してさ」
「えっ、目黒さん、いらっしゃったんですか…でもそんな周囲の目とか」
「安心して。マネージャーが俺を止めてくれて、マネージャーがホテル手配してくれて運んでくれたんだ」
「…マネージャーさんって」
「Aさんの不眠の事も、俺らが添い寝友達なのも、俺言ってあるから。だから睡眠不足から体調不良なんじゃないかってわかってくれてたし」
「…そうだったんですか、ご迷惑をおかけしました…すみません」
「でも編集部でAさんの恋人がうちのマネージャー説出ちゃって…ごめん」
「え!?それ私の方が謝らなきゃです…!マネージャーさんに本当にご迷惑を!あと目黒さんにもすみません…この状況って…添い寝してくださったんですよね?」
私が寝不足で倒れたから
包み込むように隣にいてくれた目黒さん。
「今日は仕事無かったから大丈夫。俺も眠かったし」
安心して?と私の髪を撫でようと伸ばした目黒さんの手に
ぎゅっと体が強張った。
俺も眠かった。
それは嘘なのか
本当なのか。
「目黒さん…あの…目黒さんは嘘を…ついてますか?」
この距離にいるのに
遠くて
好きだから触れたいのに
怖い
最終話:もう君を不眠にはさせないから→←28.会いたいけど、会えない日々
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みか - お疲れ様でした! (2月25日 20時) (レス) id: 11e98131e9 (このIDを非表示/違反報告)
さおりん(プロフ) - こんばんは。完結おめでとうございます。気がつけばふわっと終わってる〜!ハッピーエンドだからいいけども!目黒くんの話し声で寝たい人生でした。ありがとうございました。 (2月24日 17時) (レス) id: b19d2edb84 (このIDを非表示/違反報告)
chako(プロフ) - みかさん» みかさんこんばんは!嬉しいお言葉ありがとうございます!お言葉もらえただけで励みになります!! (2月15日 23時) (レス) id: 4bcc778cb3 (このIDを非表示/違反報告)
みか - 気になる展開になってきた (2月12日 16時) (レス) id: 11e98131e9 (このIDを非表示/違反報告)
chako(プロフ) - 游さん» 游さんこんばんは。いつもありがとうございます!修正しました! (2月10日 23時) (レス) id: 4bcc778cb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chako | 作成日時:2023年10月30日 20時