眠れぬ夜に君の声【黒】

25.添い寝友達の距離感がおかしくないですか？ ページ30

目黒さんはどういうつもりで言っているのだろう。

優しさ…？

私が癒されたいって言ったから？


私がかわいそうだからって優しさでなんとも思っていないただの添い寝友達に抱き合って眠ろうって言える？？




シャワーをお借りしながら脳内は忙しくて

うわああああああと考え事をしながら滝行のようにシャワーに打たれていたら

長風呂になりすぎたのか

「Aさん！？大丈夫？のぼせた？」

と目黒さんがノックしながら話しかけてきて慌てた。



髪もろくに拭かず着替えてバスルームを飛び出せば

「大丈夫？拭いてないじゃん！」

って目黒さんがタオルを持ってきて私の髪をぐしゃっと拭いてくれた。



ボッサボサだけど気にしない！

目黒さんが拭いてくれるなんて幸せだから！



目黒さんがボッサボサの私を見て笑うから

この笑顔をこの距離で見れるならなんでもいいとすら思う。



「ドライヤーしてあげよっか。俺モコにやるから結構うまいし」


そう言われて腑に落ちた。私の髪をタオルドライしてくれた目黒さんの手つきは犬だったんだ！わっしゃわしゃに拭いていた！


「ドライヤーは…自分でします」


お気持ちだけで十分です。と目黒さんが手に持っていたドライヤーを受け取った。




髪を乾かしている間、目黒さんはベランダで空を見上げて



乾かし終わってから、少しの間二人でベランダで空を見上げて。




「Aさんが湯冷めしちゃうから中入ろっか」


と肩を軽く抱かれて中に入った。





なんだろ、今日はスキンシップが多い気がする！！





「マジで俺、寝相悪いから」

ベッドに座りながらそう言って目黒さんが私に手を差し伸べる。

「知ってます。私も悪いですよ？」

「知ってる」

笑い合いながらも、やっぱりいつもみたいに手を繋いでの添い寝だけでいいんじゃ…と躊躇してしまって目黒さんの手に手を重ねられないでいれば

手首を掴まれて

引っ張られて

ぎゅっと抱き止められるようにベッドに転がった。




「…これ、やばいかも」

目黒さんの低い声が耳元で聞こえて心臓が苦しくなる。



何がやばいんですか？眠くてやばいんですか？私は心臓もやばいです！


ぎゅっと目黒さんが抱きしめてくれて

「Aさん、こっち見て？顔見せて？」


胸板に恥ずかしくてうずめていた顔を見せて？と言われて




目黒さんの声も体温も…全てが心地よくて




恥ずかしがっているうちに寝落ち！！！






朝起きたら目黒さんも私も、大の字で寝ていた。

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