眠れぬ夜に君の声【黒】

番外編：眠れぬクリスマスに君の声 4 ページ26

お風呂から出たら

冷えたシャンパンと生牡蠣やケーキが並んだテーブルに

目黒さんが微笑む。


「少しだけ乾杯しよっか」

とグラスを傾けた。



「メリークリスマス」

「もうイブ終わっちゃってますね」

ごめんなさい、私が遅くて。と時計を見て謝って

「メリークリスマス」

と目黒さんがまた笑いながらグラスを鳴らした。




プレゼントを渡したくて、大したものじゃないのですがと前置きをしながら出せば

「うわー、めっちゃ嬉しい。絶対大切にするし、使う」

そう言って早速マフラーを巻き付けてくれて

嬉しそうな目黒さんに私も嬉しくて微笑めば

「俺も実はあるんだ」

しかもマフラーで同じだと言って紙袋を出してきて。


高そう！


「同じですか！？」

「マフラーは同じっしょ」

って開けて私に巻き付けて

「この間撮影あって、Aさんにも似合いそうだなって」

「いやいや目黒さんが似合うんですよ！私には高「俺があげたいんだから、素直にもらって」」



否定しようとした口元に

目黒さんの人差し指がそっと止めるように触れて

唇に触れた目黒さんの指の感触が残って



「…ありがとうございます」

しか言えなかった。





二人眠たくなって

ベッドに入って手を繋いで向き合って

気恥ずかしくてまた少し微笑んで


「今夜はクリスマスだから」

太郎の話と、サンタクロースの話、どっちがいい？と聞かれて

太郎は何太郎なんだろう、って気になるけれど

サンタの話も今夜のために目黒さんが調べてくれたと思うとそれも聞きたい。



「てかAさん、話聞く前にめっちゃ眠そうなんだけど」

どっちがいいかなんて考えているだけなのに、眠たくて目が閉じそうになって

目黒さんが毛布をかけてくれて

「おやすみ。ありがとう、一緒に過ごしてくれて」

幸せなクリスマスになったよ。って目黒さんの優しい声を聞いていたらいつの間にかやっぱり夢の中に落ちていた。





朝起きれば目黒さんがサンタの帽子を被っていて

「おはよう」

毎日頑張ってるいい子のAさんにはサンタさんからプレゼント。

って。



昨日プレゼントもらったのに、毎回私が寝巻きを持ってきているからと

寝巻きが枕元にあった。



「私ぜんぜんお礼できてないです！」

「俺はAさんが添い寝してくれるだけで十分だから」


毎日でも来てくれたら、お礼になるんだけど。


今夜も待ってるね？





目黒サンタの帽子の先にあるふわふわが揺れた。



Merry Christmas

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