目黒蓮と私の幸せな結婚

36.ずっと好きなのは ページ36

「頼りない…とか、そんなんじゃなくて…！ただ…もう私、一緒にいるの…限界…なので離…婚…届、書いてあるので…お願い…します…」




離…婚…したい…で…す。





震える声で、泣きじゃくりながら伝えれば




「お願いだから、Aが俺を嫌だと思う所全部直すし、努力する」




だから、俺の側にいて、と力を入れて抱きしめる。





目黒蓮の声が少し震えている気がして


優しくて旦那さんとして申し分はなかったはずなのに、落ち込ませたのかと思って慌てて




「違うんです…！！！直してほしいとこなんて…ないし！ただ…」




腕を振り払うように振り返って目黒蓮を見上げれば



目が赤くて潤んでいる。





え、目黒蓮が…泣きそうになってる…？



なんで？




演技、には見えないのは…演技がうまいからなのか。





目黒蓮は涙を我慢しているような、食いしばっている顔をして、悲しそうに私を見下ろしている。




「じゃあ、これは何？」


目黒蓮が私に、握りしめて少し皺のできた離婚届を見せて


「俺が嫌？」


って。



泣きそうな顔しないでよ。


まるで悪い事しているのは私みたいだ。


好きな人がいるのに、別の女と結婚した目黒蓮が悪いでしょ？


ずるいよ。


目黒蓮が泣きそうな顔するなんて思わなかったから、胸が苦しくて痛くて余計涙が溢れた。



「…だって！…蓮は好きな人いるのに…ずっと好きな人いるんでしょ？！無理だよ、私…それ知って…一緒にいるなんて…もう辛い、無理。」




きっと目黒蓮ならその人も好きになるよ絶対。

好きにならない人いないって。

その人に告白して幸せになってよ。




泣きながらそう言えば




「…A、好きだよ」


好きだよ。A



と目黒蓮が繰り返した。





「違うって、私は嘘ついてそう言って欲しいわけじゃなくて、ずっと好きだっていうその人に言ってよ…」

「嘘なんかついてない。俺、小さい頃、Aと会った時から好きだったよ？」







「は？」




思わず間抜けな声が出た。





「あぁ、この子と結婚したいな、この子だったら楽しいだろうなって」






「は？」







何をボケた事言ってんだ、目黒蓮…。

呆気に取られて涙が止まった。




いやいや、会ってないし。




…は？

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