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王子様とお姫様 ページ23
「何ボケーっとしてんのよ。」
二宮君にそう言われて
授業が終わっていたことに気がついた。
「ククッ、アホ丸出しな顔。
さっきは泣きそうな顔してたのに。」
「なっ、うるさいな。」
「いやー、それにしてもさっきの翔ちゃん
超かっこよかったね。」
…っ。
その名前に過剰に反応しちゃう。
「つか、昨日も凄かったのよ？
Aはどんくさいことに溺れてて
知らないと思うけど。」
「なっ、一言よけいだよっ！
ほんとに焦ってたんだからね？」
「アハハッ、ごめんごめん。
お前の顔見たらイジめたくなんの。」
なんて言ってる二宮君は悪魔じゃなくて死神だ。
そう思ってると、
「翔ちゃんさ、昨日
すっげー勢いで飛び込んだと思ったら、
お前のこと抱えて水ん中から出てきたの。」
「っ…。」
二宮君が、
私が覚えていない昨日のことを教えてくれた。
「あんなに焦ってる翔ちゃん初めて見たよ。
何度もお前の名前呼んでさ、人工呼吸し始めた時は女は全員叫んでたね。」
！？
「不謹慎だけどさ、俺はその時
お前らのことまるで王子様とお姫様みたいだな
って思ったよ。」
そんくらい絵になってた。
二宮君はそう言った。
ドキドキした。
全く覚えてないけど、
私は先生に助けられてばっかり。
そう思うと、
早くちゃんとお礼を言わなきゃって
私は放課後急いで国語準備室へ向かった。
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作者名：cherrys | 作成日時：2020年12月31日 2時
