検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:7,308 hit

人って馬鹿ばかり ページ16

「今日も町を歩くのかい?」

食器の片付けをしながらおばあちゃんが尋ねてきて、私は頷く。



おばあちゃんは一瞬、悲しそうな表情を見せたが、すぐ笑顔で


「そうかい。気をつけて行ってくるんだよ。」


と返した。



精神的なアレで引きこもりがちになってはいるものの外に出て、歩くのは昔から好きだった。


あの時はいつも誰かと一緒にいて楽しそうに笑っていた事もあったが、もう過去の事だ。

今更どうしようとか考えようとは思わない。


考えただけ無駄だろう。



私はそう思いながら靴を履いて玄関の扉を開けようとした時、



私はおばあちゃんに抱きしめられていた。



私は突然の事でびっくりしたが、緊張で強ばっていた体の力が抜けていくような感覚があった。


自分では気付かなかったが私の体は少し震えていた。





おばあちゃんはただ一言



「おまじない」




とだけ言って私に気をつけるのよと笑顔で見送ってくれた。



「行ってきます」



私も少し笑みを浮かべながら扉を開けた





「今日は曇りか···」




私は灰色の空を一目見たあと、フードを被り家の門をくぐり抜けて行った。






_______________________



また前と同じ桜中央駅に来てみた。


周りのうるさい音を遮断するために耳にイヤホンをはめて歩き出した


すれ違った大人や子供が私を怪訝そうな目で見て通り過ぎて行く


中にはヒソヒソと笑いながら私を嘲笑っている声も聞こえた






うざ···




1人じゃ何も出来ない人間がよってたかって嘲笑ったり気味悪がられたりしても別に怖くも何ともない。


ただ正直怒りを通り越して幻滅するしかない



私は嘲笑っている女子高生らしい3人組を睨みつけて言いたいこと言ってやった


「何か不満があるなら直接言いなよ。アンタらみたいな人間ならそれくらい出来るんじゃないの。」

まさか自分よりも年下の学生に言い返されるとは思いもよらなかったのだろうか。

3人は何も言わず唖然としていた


「集団でいるからって自分らが強いとか錯覚しない方がいいと思うよ。逆に惨めで笑えてくるから。まず人の悪口言うより、アンタらのその幼稚な頭をどうにかした方がいいかもね」


そう言い放つと3人は顔を真っ赤にして逃げていった




弱···



周りの通行人も唖然としていたが、我に返るとみんな下を向いて歩き出した。




「ほんと人って馬鹿ばかりでうざい···」



私は呆れてため息をつくと、また歩き出した。

白猫→←嫌いな姿



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.6/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年4月11日 22時) (レス) id: a6e6d18aa3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:このみ | 作成日時:2019年4月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。