桜色の薔薇は永遠に【紫×緑】 (ページ47)

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桃

流星に言われた。
『どうしたら俺のことしか
考えられへんようになってくれる？』
それから俺なりに考えて。

照史に未練を残しながらも
大毅を愛する淳太。
神ちゃんへの一生片思いを
心に決めていた照史。
切実に濱田先生を思って、
でも叶わないし叶えちゃいけないって
その謙虚さが腹立たしかった神ちゃん。
自分の無力さと立場で、
みんなを苦しめたことを
そないに自覚してない濱田先生。
あの日誰よりも号泣していたしげ。

しげは誰よりも泣いていた。
一番無関係なしげが俺より号泣しとった。
しげは人の喜びを自分のことみたいに喜んで、
悲しみを自分のことみたいに泣くんや。
それに気付いてやっと見えて来たんは、
神ちゃんも濱田先生も苦しんでたんやって。
そして神ちゃんが
俺らと仲良かったことによって、
どこかでまだ縛られてんちゃうかって。
神ちゃん優しいから。濱田先生は俺が
先生のこと好きやって知ってたし、
先生も優しいし。
俺は、濱田先生がみんなの不幸を
掻き立ててるんやって思ってた。
高校の時は実際そうやったかも知らん。
でも今、それをズルズル引きずって
この恋のチェーンを
ガチャガチャ鳴らし続けてるのは俺や。
いつまでも子供のままの俺や。
みんな進んでるのに。

流星は、誰よりも俺のこと思ってくれて。
誰よりも俺のこと好きで、大事にしてくれて、
過保護なくらい。昔からそうやった。
当たり前やったから、気付かんかった。
でもそれがだんだん、
高校辺りから狂愛じみてきて。
やっと分かったのは俺愛されてるんやなって。
流星を求める俺を許してくれた。
俺は流星やなくて先生が好きやったのに。

感謝なんか、謝罪なんか、
何を伝えたいのかも知らんけど、
ただ流星に会いたくて、
会って、伝えたい思いがあって。
あの温もりを、いつでもどんな俺でも
迎えて包んで愛してくれる流星を求めて
走った。帰る場所、俺の居場所へ。